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2010年9月24日金曜日

(続)尖閣諸島と中国との関係:アメリカの意義

皆様もご存じのように日本と中国は戦争ではないにしろ、バトルをしていますが、その間アメリカはどうしているのか。

まず、昨日前原外務大臣がクリントン国務長官と会談し、尖閣諸島は日米安保条約に入るとアメリカに確認したとしています。そして、バイデン副大統領が先日インタビューで日米同盟の重要性について言及していました。さらに、昨日菅総理と会談したオバマ大統領が日米同盟はアジアとして世界の安全保障の基盤であるとし、その重要性について言及しています。

まぁ、これで一つアメリカが日本側に(当然)表向きに付いていることが示せて一安心です。が、この裏でどういう話をしたのかも不安でもあります。日米間でいくつか問題を抱えています、例えば、牛肉問題、日本為替介入、普天間問題、北朝鮮問題、など。これらの問題に対して日本政府はどこを・どこまで妥協する・できるのか見ていきたいと思います。

今朝の見出しに、読売新聞「輸入牛肉の月齢制限見直し検討…前原外相」とありましたが、アメリカのメディアにはまだ表立ってこの様な記事は掲載されていませんが、ここ1~2日の間に出てくると思いますので、またアップデートします。

米国下院の科学技術委員会で昨日「H.R. 6160, the Rare Earths and Critical Materials Revitalization Act of 2010」という法案が成立しました。これは、レアメタルを貯蔵していくための法案です(またの名を「日本みたいにならないための法案」)。この委員会の議長である民主党バート・ゴードンは「中国の好意にわれわれの経済と国の安全保障を賭けるのは愚かである」と。ちなみに今日の読売新聞にも「中国、レアアース対日輸出停止を通告」とありますが、日本国としてこのような事態を想定した対策は取っていたのでしょうか?

ということで本題ですが、今回の一連の件(船長逮捕、パンダ死亡、レアアース輸出禁止、日本企業社員逮捕などなど)で日本、中国、アメリカ、そしてアジア全体に与えたもっとも大きな影響は、中国のアジア太平洋地域における影響力が低下する可能性だと考えています。

アジア太平洋地域のパワーバランスですが、冷戦下では対ソ連がアジア太平洋地域の安全保障の焦点でした。地域としては日本、フィリピン、インドネシア、タイなどの国は特に重要な拠点とされ、ソ連の核と占領に対する防衛が基礎になっていました。

冷戦後は、ロシアの影響力が低下し、フィリピン、インドネシア、タイなどでは大幅にアメリカ軍のプレゼンスが削減されました。日本でもアメリカ軍駐留そしてアメリカの存在そのものの意義が問われていました。

そして最近は中国が経済的に飛躍してきて、軍事力も強化する中で、半信半疑ながらも中国に近寄る国が増えていました。考え方としては「アジア太平洋地域の安全保障はアメリカが守るものではなく、中国も含めてみんなが協力して維持していくもの」というものでオーストラリア、タイ、インドネシア、フィリピン、日本(民主党政権になって特に)も含めてアメリカ寄りから中国に軸足をシフトしていたのです。

これは中国の狙いで、アメリカ軍存在を無くさない限り、いつまでたっても理想の影響力をアジア太平洋地域で発揮できなかったのです。しかし、今回の件で、中国が強硬姿勢を取ってしまったことで、中国に向かっていたアジア各国の軸足が再びアメリカに戻る可能性が高いと思います。

アメリカからすると、中国があまりにも強くなりすぎても困る(ソ連)、しかし、孤立して世界の一員としての役割を果たさなくなっても困る(北朝鮮)。今回の一件でどのような将来になるかはわかりませんが、アジア太平洋地域のパワーバランスを日本、アメリカ、アジア各国がどのようにして平和的な将来を模索していくが重要となることは明らかだと思います。

こういう中でも株価と人間の欲というのは正直で、今回の日中の一連の件以降、アメリカの軍事銘柄の株価に好影響を与えています、例えばレイセオン、ノースロップ・グラマン、ロッキード・マーティン。

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