ちなみに円ドル相場には、一日に5,680億ドル、約50兆円のお金が動いているそうです。日本が前回介入した2004年より、円ドル市場は73%拡大しています。世界の為替市場を合わせると400兆円が一日に動いているそうです。このような途方もないお金の流れを日本政府は変えようとしているのです。
そういう中で、昨日の夜から「Tim Duy's Fed Watch」というブログに書かれた内容がアメリカの経済系ブログの間で話題になっています。以前、私が書きました「円高の理由が中国にある?」に関係してきます。そのとき私が書きました内容が:
「中国は6月に4567億円、7月に5830億円分の日本国債を購入し、総額で2.3兆円分を保有していると財務省が発表しています。さらに、中国は現在総額で2.4兆米ドル(約200兆円)の外貨を保有していると言われ、その内訳が、65%がアメリカドル、26%がユーロ、5%がイギリスポンド、3%が日本円、と言われているようです。ユーロ圏の最近の問題で中国としては、この内訳を変えたいと考えていると思われており、その変わりが日本債券=日本円ということのようです。」
- それを有利に進めるためには、中国は人民元安・ドル高を望んでいます。
- 人民元安・ドル高を実現するため、輸出した分のドル(米国債)を買っていました。
- 以前私は、ドルの量が増えすぎたためにリスクヘッジのために円(日本国債)を買っているとしました。
- しかし、今回Tim Duyは、この中国の円(日本国債)買いはリスクヘッジではないのではないかとしています。その流れが:
- 中国が日本国債・円を買うと円が強くなります。
- このため、円高・ドル安となります。
- これを続けると円高が進み、日本は介入せざるおえなくなります。
- そして昨日、中国の念願どおり、日本が介入して円を売ってドルを買ったのです。
- 中国は円を通じて間接的にドルを手に入れたのです。
なぜそんな面倒なことをと言いますと、中間選挙を控えるアメリカから為替操作国と名指しされたくない、からです。
現に今日、米国下院でもっとも力を持つ員会とされる、歳入委員会が中国の為替操作について議論を始めたところに、日本が為替介入し、日本は為替操作国とされてしまったわけです。中国は歳入委員会が始まる日に日本が介入するのを狙っていたのではないかと思いたくなるようなタイミングで日本は介入したのです。
さて、理由はともかく、日本は介入してしまったので、果たして短期的に成功できるか、今週と来週いっぱいが大事になります。重要なのは:
- 米政府、財務省、FRBが日本に対する表立った批判をする前に
- ヘッジファンドなどの投機筋が円高ベットをしても無駄だと思わすことができるか
にかかってくると思います。
長期的に見ますと、介入したことによる効果などまったくもってあるはずがなく、そんなことは政府、財務省、日銀は当然分かっていると思います。現に6年前介入したにもかかわらず15年ぶりの高値を昨日更新しましたので。
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