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2010年9月11日土曜日

クルーグマン祭り

ニューヨーク・タイムズのコラムニストでプリンストン大学教授でノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンが日本に来ていたらしく、ニューヨーク・タイムズにある彼のブログとコラムには日本のことがいっぱいでした。その内容を簡単に:

一世代前、バブルが弾けて何年も経つのにデフレと低成長で、日本はどうしょうもない経済の代名詞だったが、それから年もして、アメリカも同様にバブルが弾け、日本のことを改めて見つめ直すと、日本やってきたことはそんなに悪くなかったんだ、とアメリカは思うようになった。というのも、日本の行ってきた政策にはいろいろと問題があったものの、結果としてそれほど悪い状態にはならなかったからである。そこで今アメリカは日本のようにうまく切り抜けられるか、それとも経済的大惨事に陥るかの瀬戸際にある。

日本が90年代に経験したことは2008年の起きたことのリハーサルのようなものだった。銀行が暴走して土地の価格を吊り上げ、そしてバブルがはじけた結果、これら銀行と土地がいつまでも上がると思ってお金を借りた人たちは弱った。そして、そのことで経済が長期に渡って弱まることになった。

バブル後の政策では、日銀は常に一歩遅れて金利を引き下げ、政府は公共事業などで景気を盛り上げようとしたがその努力は中途半端で自律的な回復には至らなかった。そして銀行の不良債権処理が遅れたことで貸出がされなかった。その結果今日まで経済が落ち込むこととなる。

こういう状況の中でも、日本経済は真っ暗というわけではなく、グレーとでも言える。失業率もそれほど高くもなく、国の借金・国債発行額も増えて格付けが落とされながらも国は1.1%という低金利で金を借りることができている。日本経済は不振ではあるが、恐慌にあるわけではない。そして結果として日本が行ってきたことは皆が言うほど悪いわけではない。我々の対応を見ていると、日本にそんなに強く言えるような立場でもない、としている。

共和党は金持ちを対象とした減税と財政規律を求めている中でオバマの景気対策に反対し、今年11月の中間選挙を大勝する可能性がある。もし共和党が勝つようなことになると、日本は約束の地のようにいいところのように思えてくるのではないかとしている。

こういう中で日本を見ると羨ましく思ってくるという。共和党がもし権力に復帰するようなことになればアメリカ大変なことになる。アメリカ人は今の経済に対して落胆しているかもしれないが、落胆のほうが惨事よりはマシである。

さて、クルーグマンは共和党の政策を批判していますが、では共和党と民主党の経済政策にはどのような違いがあるのか。

まず共和党の考え方は:
-       減税、特に高所得者の減税を好む
-       自由経済と個人の力を生かして経済成長を目指す
-       小さな政府、予算を減らし政府を小さくし
-       セーフティネットネットを小さく
-       供給サイドからの経済発展、雇用を生む側を生かすことで経済が発展する
-       所得税・相続税反対
-       労働組合反対

民主党の考え方:
-       経済的不平等反対
-       大きな政府、予算を増やして政府を大きく
-       セーフティネットネットを大きく
-       労働サイドからの経済発展、労働者側を生かすことで経済が発展する
-       軍事予算削減
-       社会保障費拡大
-       環境問題への取り組み
-       労働組合賛成

というのが共和党と民主党を経済政策において大きく分ける内容です。クルーグマンの考えは後者、民主党の考えに近く、共和党ジョージ・ブッシュが大統領だった時はそれはそれはことごとく政策に反対をしていました。

この様な違いから、民主党支持者の多くは移民者、少数民族、経済的に不利な人々、学者、労働者が多いとされる。反対に共和党は、財界、高所得者層、軍事関係者、キリスト教徒などが支持層に多いとされている。

これを日本に当てはめてみると中曽根康弘や小泉純一郎の政策は共和党に近いと言える。反対に細川護熙や鳩山由紀夫は民主党に近いと言える。

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