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2010年10月20日水曜日

チャイナ・ショート

昨晩、中国人民銀行は一年物の貸出利率と預金利率をそれぞれ0.25%引き上げたと発表しました。このことで世界経済の成長が弱まるのではないかという心配からアメリカ株や日本株などが下がっています。中国の需要に影響される金、銀などの金属、石油が大きく値を下げ、これに伴って、コモディティ通貨である、オーストラリアドル、カナダドル、南アフリカランドも弱まっています。

ここ最近の中国の住宅価格、小売、ローン貸出残高、消費者物価などのデータを見ると中国の景気が減速気味でありながらも過剰流動と価格上昇がみられることから、それを懸念して利率を上げたものだと思います。

先日のブログ「印刷機をフル稼働して現ナマを印刷するワケ」でご紹介した史上最高の偽造者であろうが、下記のアルジャジーラのビデオのように必要のないものを作って経済成長をしようが関係なく、世界経済をけん引しているのは紛れもなく中国であり、その中国が引き締めに走ると世界経済、日本経済も影響されます。



この経済的なポジションの強さによって恫喝に等しいことをしてもまかり通ってしまうのです。例えばレアアースの日本への止めているとされていましたが、日本だけではなく、アメリカやヨーロッパへの輸出も削減するとされています

そんな中で、The Diplomatという媒体に「中国は見た目に反して弱い」というタイトルの記事がありましたのでご紹介します。その内容が:

-       世界第2位の経済大国、年10%の経済成長、世界最大の外貨保有国、世界最大のエネルギー消費国である中国は地政学的に最強でないはずがない。
-       表向きそうであっても中を見て見るとその強さに対して疑念を抱く理由が2つある。
-       一つが、国内の治安維持に1年間に750億ドル(約7兆円)を使っていること、
-       二つが、中国首脳の話す内容、例えば温家宝首相が8月に深川で「改革をしない限り中国共産党が政権の座にいられる日数が限られる」と言ったとされることや、今年初めの政府のレポートには「汚職、国内紛争や不平等が将来の繁栄に影響を及ぼす」と書かれている。
-       中国は外からは強く見えるが、内政的にはいくつもの地雷が埋まっている、例えば、環境問題、経済的不平等、民族問題や社会のアンバランスなど。
-       中国共産党は改革を行う時間がもっとあると考えていたが、GDPが短期に伸びすぎたため時間が減り、誤算してしまった。
-       この様な成長過程の国では必ず権力者同士で争いが起きる
-       また、ロシア等でもそうであったように、弁護士、市民社会団体などが台頭し変革を求めるようになる、そしてだんだん政治色を強めることとなる。
-       年間9万件とされるデモが示す通り、共産党がいつまで変革を先延ばしにできるかは分からないが、もし、中国がこの変革をうまく乗り切れればアメリカに並ぶ大国となるであろうが、かなり難しい「もし」となるであろう

このブログでも幾度かお話ししましたが、中国にはいろいろな問題が蓄積しています。そして、この記事がいうように残された時間があまりないのです。これら問題を先延ばしするために国民の目を中国共産党や内政の問題から、海外の問題、例えば尖閣、日本、アメリカ等に向けようとしているのです。

国内の治安維持の750億ドルが示すように、中国共産党は海外より自国民を恐れているのです。ナショナリズムを盾にする中国の小手先手段に乗らないように日本も我慢をしなければなりません。

そういう中で中国をショート・空売りするかという話を「中国自由・権利ロング」と題した記事でニューヨーク・タイムズのトーマス・フリードマンが書いていましたので、ご紹介したいと思います。どうすればチャイナ・ショートできるかユダヤ人と一緒に考えましょう。

-       中国の不動産市場が今後下がるという予想から、最近ショートする話が話題になっている。
-       私に言わせるとそんなものは「ちっぽけ」な話だと思う、もっと面白いショートの機会が中国にはいっぱいある
-       中国には経済の自由と権利があっても、政治の自由と権利が与えられなければこの様な成長は続けられない。きっとゴールドマン・サックスがクレジット・デフォルト・スワップを発行してくれて、中国が反対を取るであろう。
-       ノルウェーは劉暁波氏にノーベル賞を与えたが、中国に対するメッセージはこの様なものであったと思う「自由と権利、それ自体に価値があり、それがなければ、人間はすべてのポテンシャルを発揮できない。21世紀の世界で繁栄したいのであれば自由と権利は必要不可欠なものである」と。
-       政治学でもっとも興味がある質問が「インターネットを制限し、ニュースメディアを国が支配し、共産党によって政治権力が独裁され、この様な中国がこのまま繁栄できるのか?」という質問であろう。
-       私は無理だと思う
-       これまでは経済の自由と権利で、ここまですさまじい成長を果たしたのは確かである
-       でも「調子に乗り過ぎて、引力の法則まで塗り替えられる」と勘違いをした考えをしないようにと、ノーベル賞は中国にメッセージを与えたのだと思う。
-       したがって、経済の自由と権利であるレベルには行けるかもしれないが、政治の自由と権利がなければその次のレベルへはけして行けない。
-       私がなぜ中国共産党が早く変革すると思っているかと言うと:年をとる前に金持ちにならないといけない、からである。
-       近い将来、政府の保障がないままに高齢者を養わないといけなくなる
-       また女性より男性の方が2000万から4000万人多いとされ、その埋め合わせをしないといけない時期が来る。
-       そのためには中国国民全体の収入を増やすべく、労働人口を知識やサービス産業に移管しなければならない、しかし、問題はここにある
-       今の知識産業は企業内や海外の企業と自由に情報とアイディアを共有できるソーシャル・ネットワークが主流となりつつある。
-       企業と国が今後繁栄するためにはいろんなところに点在する自分より頭のいい頭脳を結びつける必要がある
-       SRI InternationalCEOCurtis Carlsonは言う「教育へのアクセスが容易になり、イノベーションするツールが安くなった。下から上へ向かうイノベーションは混乱を伴うが、そっちの方が賢い。反対に上から下に向かうイノベーションは整理されているが、バカげている。
-       もし中国の農民6億人がツイッターの会員になったらどうなるだろう?多分そこまでの下から上へ向かうエネルギーに中国政府は耐えきれないのではないか。
-       これは北京にとって大問題である。
-       中国には混乱を受け入れる余裕がなく、時間をかけて下から上へのエネルギーを増やす猶予がない
-       中国共産党は、この様な急務をどうやってバランスを保たせながら進めていくのか全く分からない。
-       もしかしたら彼らは劉暁波氏に聞いてみるといいのかも


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