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2010年10月6日水曜日

電車に乗り遅れた日本

皆様もご存じのように昨日、日銀は金融緩和策を発表しました。目的は円高食い止めとデフレ脱却。そしてなぜ行ったか、それは政治的圧力だと思われます。

昨日の午後、私はツイッターで「日銀は行き場のないところでがんばって出来るだけのことはやったと思います 、そして円安に進んでいます。でも、どれだけの持続した効果があるか」とつぶやきましたが、円安の効果の持続は6時間ほどでした、あっという間に914日の介入後最高値を更新しています。円高の食い止めですが、残念ながらまったく効果が無かったです。介入してもムダ、資金をばら撒いてもムダ、ということです。

ウォール・ストリート・ジャーナルの日本語版にみずほ総合研究所のシニアエコノミスト、草場洋方氏は「日銀が現段階で最善を尽くしたのは疑いないが、全体としてこの政策が日本経済てこ入れに大きく寄与するとみるのは難しい」と述べた、としています。

ムダになった理由と言うのが、日銀が行う資産の買い取り規模が5兆円だったということ。

反対にアメリカはというと、ウォール・ストリート・ジャーナルの日本語版によると1兆ドル、80兆円前後の金融緩和策を準備しているとしています。ZeroHedgeでは量的緩和策として1.5兆ドル、さらにFRBは不動産担保証券の買い取りを同額規模で行うとして、合計で6カ月に渡って3兆ドル、約240兆円規模の金融緩和を準備している可能性があるとしています。

Wall Street JournalにはFRBシカゴのCharles Evansが現在アメリカは流動性に問題があるため、「FRBは復策として米国債の買い取り、そして現在非公式の2%のインフレターゲットをさらに高めるべき」としています。

単純比較できませんが、日本が市場に5兆円、アメリカは80兆~240兆円のドルを市場に流す可能性があるのです。どう考えてもアメリカの川の流れのほうが広くて早い気がします。

イギリスの新聞Telegraphには「日本が金利を0%にしたことで通貨戦争を恐れるとIMFのトップ」という見出しで、中でIMFのトップDominique Strauss-Kahnは「通貨が政策の兵器になるという考え方が出回っていて、そのような考え方が行動となると世界の回復に悪影響を与える」と言われてしまう日本のありさまです。

これは全くもって都合のいい話で、欧米はすでに3年以上前から通貨を弱める施策を取ってきていたのです。理由はこの後述べますが、日本は欧米と比べて通貨安売り競争・戦争に後れを取ってしまった、そして今になって乗り遅れた電車に日本は乗ろうとしているのです。欧米からは「ふざけるな、おいらたちが先に電車に乗ったんだから、きみが乗る場所はない」言われているような気がします。

それではなぜ3年以上も日本は欧米に後れを取ったのか、なぜ日銀が動けなかったのか、それは動ける場所がなかったためです。その理由に、一つはサブプライム問題が発覚した時点ですでに日本の政策金利はゼロに近く、欧米に比べてはるかに低かった。そして二つ目にはGDP対比で日本の債務がけた外れに蓄積され、グロス負債で200%近くあったことなどがあげられると思います。

どちらも日銀の責任とは言えず、政策金利は90年後半に上げるクセをつけておいて、2000年半ばに上げられた機会があったと思いますが、政治判断で上げられなかった。国の借金はというと、政治判断で公共事業などにお金をバブル後もばら撒いたツケです(これが悪かったとはいいません)。

現在、国の収入のうち40%以上が借金の金利返済に使われているとされています。1%に満たない金利で収入の40%が金利(元本ではないです!)の返済に充てられているのです。一般家庭の家計簿でしたらとんでもない話です。

このようなことから、アメリカと金融緩和で競争することで、インフレ→高金利→返済額上昇→借金困難→デフォルト、を日銀が恐れているものだと思います。

デフレは困るけど、やり過ぎてインフラもまた困る、という難しい状況に日銀は追いやられているのです。

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