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2010年10月27日水曜日

中国米国裏工作が功を奏し、金融緩和策の規模縮小?

今朝アメリカの量的緩和策第2弾(Quantitative Easing part 2: QE2)についてTwitterでフォローさせていただいています方とやり取りをしました、この金融緩和策に対する考えについて更新をしたいとも思います。

連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee: FOMC)が来週の火曜日、112日から2日間開催され、113日に金融緩和策として量的緩和策第2弾が発表されると見られています。それがどれだけの規模になるかが今、注目されています。

フィナンシャル・タイムズでは、マーケットの予想として6ヶ月間に渡って5000億米ドル(40兆円)規模での資産買い取りだとし、政策金利に換算すると0.50.75%に引き下げに相当するとニューヨーク連邦準備銀行のWilliam Dudleyは話したそうです。

ただ、この記事では金融緩和策を発表した後が問題だとし、今後の追加緩和策の有無についてどういう形式で「含み」を持たせるかが重要だとしています。それは、ゴールドマン・サックスが「テーラー・ルール」(目標インフレ率を達成するために名目金利をどれだけ変動するべきか)を使って計算したところ、4兆米ドル(30兆円)が必要だとしているためです。

さらに、ドイツ銀行の予測は以下の2通りです:
-       1214日に行われる連邦公開市場委員会の次の会議までに1250億米ドル(10兆円)規模の金融緩和を行う(強硬論)
-       もしくは、6ヶ月間に渡って5000億米ドル規模の金融緩和を行う(穏健派)

タイトルで「中国米国裏工作が功を奏し、金融緩和策の規模縮小」と書きましたが、それは、以前、中国が人民元を「気持ち程度」切り上げることでアメリカが量的緩和の規模を下げる、という裏取引をするのではないかと書きました。その理由は、先週中国が若干ですが人民元を切り上げ、金利を引き上げましたが、それによって、以前は対中に厳しいスタンスを取っていたガイトナー財務長官が穏やかになったからです。

ただ、中国との取引があったかなかったかを別として、FRBとアメリカ政府は大規模な金融緩和策・量的緩和をしたくてもできないのではないかとも思います。

その理由として、アメリカ政府は今、量的緩和で自国の経済を膨らせ・外国から嫌われるか、それとも量的緩和をしないで自国の経済を凋ませ・国内から嫌われるかを天秤にかけて考えていると思います。

まず、量的緩和策によって「自国の経済を膨らませる」効果は最近のアメリカ株の上昇、9月以降15%近くS&Pなどは上昇していることからもわかりますように、効果が現れています。以前「印刷機をフル稼働して現ナマを印刷するワケ」という題の記事で:
FRBはアメリカ経済をいかにして膨らませるか、そのためにはドルをいくらでも印刷する覚悟があるのだと思いました。世界がどうなろうが、各国がどうしようが、それはバーナンキ、しいてはアメリカの問題ではないということだと思います」
と書きましたが、アメリカの本音はこういうことだと思います。

しかし、「自国の経済を膨らませる」ことによって「外国から嫌われる」効果も日本、韓国、タイ、ブラジル、コロンビア、ペルー、ロシア、スイス、ルーマニアなどの国による為替介入が示すようにこちらも効果が表れています。また、G20財務相・中央銀行総裁会議はつまらなかったですが、その中で、アメリカは量的緩和によって通貨操作をしているとドイツから名指しをされたことが示すように、現実論も存在します。アメリカが量的緩和を大々的に実行してしまうと貿易戦争に発展し、関税や為替介入が横行しかねません。

でも、これに屈して量的緩和をしないと発表して「自国の経済を凋ませ」てしまうと「国内から嫌われる」可能性があります。厳密には国内の投資家が失望し、株が暴落する可能性があると思います。それは、9月以降15%近く上昇している株価が下落することにつながります。

ということは、外国からも国内からも嫌われない真ん中・中央の妥協点で落ち着くということになります。例えば2500億ドル程度の資産を買い戻し、必要だったら追加措置の用意がある、と言った具合の内容です。

来週の水曜日FRBがどのような発表をするか大変注目であります。

そして日本にしてみると、量的緩和が縮小されれば円高の流れは少し落ち着くと思います。

しかし、長期トレンドで為替を見ますと、円高ドル安の流れは2008年から続くものなので、アメリカ経済の回復、アメリカの金利上昇、日本のインフレ、日本円の流通用の上昇など劇的な変化が無い限り、為替のトレンドの変化を望むのは難しいと思います。

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