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2010年10月13日水曜日

フェルドスタイン&クルーグマンと日本がまた不景気に

2つとの間に関係の全くない記事について今日はご紹介したいと思っています。まず左寄りのノーベル賞受賞者・ニューヨーク・タイムズのポール・クルーグマンと右寄りのハーバード大学教授のマーティン・フェルドスタインが驚くべくことに意見が一致したという、それもアメリカの景気を良くするためには「戦争が必要」だという。

そして、イギリスのファンドRAB Capital Plcでストラテジストをするマーシャル・オーバックの記事で、中国の政策が日本を不景気にしているという、3つについてご紹介させていただきます。

最初に、ポール・クルーグマンとマーティン・フェルドスタインとゴールドマン・サックスのエコノミストであるヤン・ハジウスがワシントンで講演し、その内容がNationaljournalism.comに掲載された。ここまで政治的観点が違うクルーグマンとフェルドスタインの意見が一致するのが不思議ですが、その一致する部分と言うのも「アメリカの低成長率と高い失業率から脱却するにはもう一つ大きな戦争をする必要がある」というのである。

記事の内容を簡単にまとめると:
-       今後の景気見通しがあまりにも悪く、その政治的打開策も見えないため、アメリカの低成長率と高い失業率から脱却するにはもう一つ大きな戦争をする必要がある。
-       今後の景気も見通しは「けっこう悪い」か「かなり悪い」と3人は一致した。
-       クルーグマンは今後の失業率の完全な回復の可能性について「ほぼあり得ない。今見える限りではその可能性はない」としている。
-       フェルドスタインとクルーグマンは共に今のワシントンの政治状況からすると、景気を回復させるために必要な会計上・予算上の対策は期待できないとしている。
-       フェルドスタインは現在戦争をする予兆はないとしながらも、第二次世界大戦によって大恐慌から脱却できたのと同様に、今回の不景気を抜け出すためには同様な財政拡張政策が必要とするクルーグマンに同意した。
-       3人とも、オバマ政権が行った景気対策の規模は小さすぎたという認識で一致。
-       ハジウスは「けっこうわるい」状況を失業率10%以上で2014年まで回復せず、2011年初期まで1~2%台の成長率と説明。
-       「かなり悪い」シナリオとして今後6~9ヵ月の内に2番底になった場合としている。
-       さらにクルーグマンは3つ目の「壊滅的」シナリオとして、来る中間選挙の結果次第で今後2年間アメリカ政府の機能が停止する可能性が半々であると指摘。

頭のいい3人がここまで今後の景気見通しの悪さで一致しているのだから普通ではない状況であることが分かります。

続きまして、「日本は景気後退に向かっているのか?それに対する中国の政策のインパクト」というイギリスのファンドRAB Capital Plcでストラテジストをするマーシャル・オーバックの記事ですが、いくつか興味深い指摘がありました。以下が簡単な内容です:

-       日本は景気後退に入ったか、入ろうとしている、その理由として
-       短観などのデータや政府の補助金などが終了するため。
-       新たな景気対策を予定しているが、2回目以降の景気対策の効果は1回目と比べて効果が薄いとされる。
-       輸出によって景気を維持してきた日本とすると、今回の円高が痛い。
-       普通輸出が強くなれば通貨も強くなるが、今の日本はこれを反映していない。
-       そして、円は人民元の代替えとされているため、中国の景気と輸出が強くなると、それが円の強さとして反映される。
-       中国は予想以上に円を買っているのではない、それはキャッシュポジションで示されない先物として円建て債券を買っている。
-       それによって円が強まり、日本の輸出産業が崩れ、日本から出ていくというシナリオをシュ動くが描いていて、これが不可思議な円の強さの秘密ではないか?
-       その理由は半世紀前の統治・南京大虐殺などの恨みを晴らすためである。
-       菅内閣はヘリコプター・ベン(バーナンキ)に対抗する量的緩和措置を行わないと円がますます強まり、日本の景気が強まる前に世界の景気が二番底になる可能性がある。
-       もっと重要な点として、中国が今の方向を突き進むと世界がどうなってしまうのかを今の日本が見本として示しているのではないか。
-       中国には資金が余り、あらゆる産業に投資し、過剰投資になってしまい、産業をことごとくつぶして行った結果が日本であり、今後アメリカになる可能性がある
-       中国の重商主義によって日本がつぶされようとしているが、アメリカはどれぐらい後に続いているのであろうか?

としている。私は7月に中国が円国債を買っているということをお話しいたしましたが、その後、中国が8月になってからそのポジションの多くを手放したというデータを日銀が1週間ほど前に発表していました。これで円高の勢いが弱まるかと思っていましたが、反対に強まることとなりました。

G7が始まるために日本が相場介入できないのも一つの要因としてあげられますが、オーバックが言うように、もし中国が本当に「キャッシュポジションで示されない先物として円建て債券を買っている」のであれば、本気で心配になってきました、日本とその将来のことを。追突→釈放船長+フジタ社員開放=日中正常化、に向けて進める等とする民主党の無政策や政権担当能力の無さだけでは済まされないような、一方的なやられようだと思います。

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