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2010年10月18日月曜日

「トヨタハイラックス」と「ゲリラ」と「ブランディング」

トヨタからするとあまりありがたくない話かもしれませんが、ある意味どの会社でも一度は成し遂げて見たいマーケティング・ブランディング効果だと思います。

アフガニスタンでの戦争をテレビなどで見ていてトヨタハイラックスという車をよく見かけます。アフガニスタンだけではありません、コンゴやアフリカの内戦地域の映像、「ブラックホーク・ダウン」という映画でも登場するのが、やっぱりトヨタのハイラックスなのです。

ニュースウィークに「反政府組織トヨタハイラックス」という記事があり、マーケティング・ブランディング観点から見て見ると面白かったのでご紹介したいと思います。

内容を簡単に:

アフガニスタンを占領したアメリカ駐留軍がアフガンゲリラに新しいタトゥウをし始めたことに気づいたらしいのです。そのタトゥウはカナダ国旗のメープル、カエデの葉を形とった物だったのです。それを不思議に思ったアメリカ兵のデイビッド・キルカネンはそのタトゥウをなぜゲリラがしているのかを調べたところ、それはゲリラ戦においてこれまでに気付かれなかった重要な兵器であるトヨタハイラックスに行きついたというのです。

トヨタハイラックスの評価はアフガニスタンでは特に高く、そのためニセ物が横行したため、悲しい思いをしたゲリラ兵が大量にいたそうです。

そういうある時期にカナダ政府がトヨタハイラックスをアフガニスタンに寄付をし、そのハイラックスの後ろにカナダ国旗が付いていたため、トヨタハイラックス+高品質+カナダ=タトゥウ、となったわけです。

アメリカの元特殊部隊の隊員は「トヨタハイラックスはどこにでもある、AK-47の車版と一緒で。ハンビー(GMのハマーの軍用版)なんかには簡単に勝てる」という。

ハイラックスはソマリア、ニカラグア、エチオピア、ルワンダ、リベリア、コンゴ、レバノン、イエメン、イラクの内戦・戦争で登場したそうです。おまけにアメリカの特殊部隊も戦場でハイラックスのアメリカ版であるタコマを使うようである。

それら戦場で登場したハイラックスの写真が

ウィキペディアでも「チャド内戦においては、同国の政府軍がトヨタ製のピックアップトラックに対戦車ミサイルなどを搭載したテクニカルを使い、反政府軍を支援していたリビアの戦車隊を迎え撃つことに成功した。この戦争の報道写真においてピックアップトラックの荷台後部に大きく書かれたTOYOTAのロゴが目立った事から、海外ではこの戦いにトヨタ戦争Toyota War)という呼び名がつけられた」としています。

なぜハイラックスが人気なのか、それは壊れない、早い、あらゆるところを通れる、物が乗る(20人乗っているのを見たそうです)だからだそうです。やはり過酷なところで耐え抜いて壊れないと言うのが重要のようです。

イギリスのBBCの番組、Top Gear がハイラックスの実験をしています。18年物のハイラックスを1,500米ドルで購入して、木にぶつけたり、海に沈めたり、上から落としたり、つぶしてみたり、あらゆることをしたが、金槌とウェンチがあれば治ったそうです。スペアのパーツも必要なかったそうです。その映像がYouTube




要するにゲリラにしてみると早い、壊れない、みんなが使うからパーツも豊富ということから愛されているようです。

ブランドを構築するためにはユーザー(ゲリラ・反政府組織など)が自社製品を(ハイラックスを乗ることで)長年に渡ってブランド経験(壊れない)をする必要があります。ある意味レクサスのブランドを構築するより純粋なマーケティングかもしれません。

誰でからであろうが、自社製品がこの様な実践的評価をされて、ブランドを築けるということはうれしいことであり、難しいことだと思います。

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