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2010年11月18日木曜日

中国バブルが熟熟に熟して派手に弾けるとき

みなさまこんにちは!明日は千葉でゴルフコースをラウンドするためブログが更新できないと思いますので、今日は少し長めに書かせていただこうと思います。

本題の前に、昨日のブログでお伝えしましたがアイルランドがIMFとEUからの経済援助を受けるかどうか、そしてこの問題がアイルランド以外に飛び火するかが注目されています。このことについてブルームバーグでは「マーケットがアイルランド食べ尽くしたら、次はポルトガル、そしてスペイン、そのあとはイタリアとフランスと渡りいくだけである。1つ国を救う度にドミノが倒れる、その度に断層線が広がり、最終的にユーロが取り払はらわれるまで続く」としています。

さらに、「ユーロは面白い試みだったが結果として間違っていた。それは、参加している経済があまりにも違いすぎて、一つの中央銀行がすべての経済をマネージするのは無理があったのである。金利はそれぞれの国によって差が生まれるのである。その症状はいろいろな形で現れる、ギリシャは財務、アイルランドは銀行、スペインは住宅、ドイツは巨大な貿易黒字。でも川がいずれ海に流れ着くように、問題はいずれ現れる」としています。

というわけで、ユーロの問題は長らく続きそうな予感がします。

それでは本題の中国に入ります!

今の中国経済に関しましては大きく分けて2つの意見があります、一つが、中国の経済成長には不可能という言葉がなく、このまま成長し、近いうちに世界第一位の経済大国になるという意見、これはどこかで聞いたことのある話で、誰も日本の経済成長を信じて疑わなかった80年代の日本の状況と同じです。もう一つが、中国は熟熟に熟している巨大なバブルで、今にも弾き飛ぶという考えで、80年代後半の日本の状況に近いということから、バブルが近々弾けるという意見です。

結果がどちらになろうとも、今の中国経済が過熱しているのは明らかだと思います。中国政府がきれいにこの熱を冷ませるか注目され、その冷まし方次第で世界経済に大きな影響を与える可能性があります。

そういう中で、ここ最近、中国株が下がっています。その要因の一つがゴールドマン・サックスと野村証券が中国から資金を撤退すべきという内容のレポートを出したからとされています。彼らがあげている一つの理由が、ここ最近の物価上昇、インフレのためです。インフレが原因で中国政府が近々熱を冷ましに入るのではないかということのようです。

このインフレについて、フィナンシャルタイムズの記事では、原料価格の上昇から、北京のビッグマックの価格が最近14元から15元になったそうです。食料などを中心に物価が上昇していることから、中国政府が価格上昇を制限する強行処置をとるのではないかとするものの、以前の事例からすると効果は薄いとみられることから、今後預金者は土地や株などの資産購入へ走る可能性があるとしています。

さらに、ブルームバーグによると、野村証券のレポートにも中国政府が食料の価格上昇にキャップをかけるのではないかとしています。10月の物価上昇率が4.4%と予想されています。このため、10月19日に0.25%上げ、5.56%となった金利を最短で11月19日に再度引き上げるのではないかとしています。

今の中国の状況について、ニューヨークのヘッジファンドKynikos AssociatesのJames Chanosは、近々中国の土地バブルが派手に崩壊すると、フォーチュンの記事が伝えています。この記事について少し詳しくお伝えしたいと思います。

James Chanosはエンロン、タイコやサブプライムの空売りで、崩壊の時に大もうけをしたことで有名です。そのチャノス氏は先日アメリカのテレビで中国経済のことを「ドバイ×1000倍」とし、さらに「地獄へまっしぐらに向かっている」としていて、当然ながら中国をショートしているそうです。

彼が、中国をショートしようと考え始めた理由が、2009年にコモディティと鉱物の株を調べていたら、毎回中国の建設に行き着いていたからだそうです。そしてある日、アナリストの話を聞いていると、そのアナリストは「中国では新たに50億平方メートルの住居とオフィスを造っている」と話したそうです。それに対してチャノスは「小数点の間違いでは?」と言ったが、間違いではなく、計算をすると、300億平方メートルの新しい建設物があることがわかり、中国の人口が13.3億人であることから、中国のおじいちゃん、おばあちゃん、大人、子供を含む全国民一人に対して約3平方メートルが与えられる計算になる。それを考えたとたん、中国はこれまで人類がやってこなかったことをやっているのだと思った、としています。

そのチャノスですが、これまで中国に行ったことがないそうですが、その理由が「行ったら、投資家が謎の地震で一人死亡、とニューヨークの新聞の見出しになる」からとしています(笑)。

また、土地価格のデータは中国政府のデータや自社でデータベースを開発したとしていて、自分たちが聞きたい情報だけで判断はしていないとし、これについて「私はエンロンで働いたことがないので、データは作り物ではない」としています(笑)。

中国では固定資産への投資がGDPに占める割合が60%だそうです。さらに新規の不動産販売がGDPに占める割合が14%だそうです。この理由についてチャノスは「中国の個人投資家は人民元をどこに置くか制限されている。インフレ率が3%前後だから、銀行に入れてマイナス利回りで損をするか、ボラティリティが高い証券市場に入れるかしかないため、不動産しかオプションが残らないのである」としています。

中国に多くの住宅やオフィスが空のままになっていると以前このブログでもお伝えしましたが、チャノスはこれについて「これは大きな問題であり、新たな物件が作られるにつれて今度ますます悪化していく」としています。

チャノスはさらに「ドバイの建設ブームのとき、100万ドルのGDPに対して240平方メールの土地が開発されていたが、今の中国の割合はドバイの4倍である。この結果がどうなるかこれまで幾度となく見てきている、例えば数年前のドバイ、90年代後半のタイやインドネシア、そして80年代後半の日本のように」としています。

中国不動産はレバレッジされていないからバブルが弾けたとしても大丈夫だとよく言われています。CLSA証券によると中国で販売された住宅のうちローンで購入されたのは40%だとし、その場合でも30%の頭金が支払われているとしています。

しかしながら、中国商業銀行の融資のうち11%はLGFVと呼ばれる地方政府の投資会社に充てて行ったものであるとチャノスは言います。このLGFVのバックは政府のため、融資された資金の多くはレバレッジをかけられて、不動産投資に使われているとしています。ノースウェスタン大学のビクター・シー教授の調査では、これらLGFVは2004年から2009年にかけて1.6兆米ドルの新規融資を受けたとしています。中国政府の調査で融資のうち26%がハイリスクとしている、そうです。

今の中国経済はただ過熱していて今後ますます成長するのか、それともバブルのまっただ中で今にも弾けそうなのか、その答えはこれからの世界経済の状況と、中国政府の対応次第だと思います。ただ、日本経済の10倍の規模がある経済が、このまま成長したら大変なことになりますし、派手に弾けたらこれもまた大変なことになります。みなさまはどちらだと思いますか?

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