/* Google Analytics ----------------------------------------------- */

2010年11月2日火曜日

Bubbly Bubble ~バブリーなバブル

バブルがなぜ起こるのか?という疑問に対して科学的な観点から説明する記事がニューヨーク・タイムズにありましたのでご紹介したいと思います。

日本でバブルと言えば1980年後半から90年前半に不動産価格高騰、地上げ、ロックフェラープラザ買収、ボディコンなど、その当時25歳以上の方々はいろいろな思い出話で話題に欠けることが無いと思います。

私はその当時まだ中学・高校生でしたのでバブルの思い出と言うような思い出はあまりありません。あるとすれば、初めて「ディスコ」に行ったことでしょうか。それは芝浦にありましたジュリアナに先輩のオープンのBMWに乗っけてもらって連れて行ってもらったことです。

もう一つは中学から高校にかけて毎冬スキー場で1~2ヵ月の住み込みのアルバイトをしていました。リフト、食事、部屋代支給、仕事内容としては外国からのお客さんの接客、宅急便の受付など15~6時間ほど。中ボーのくせに、終わってみると現金で40~50万円「お給料」をもらいました。今思うと夢のようです(笑)。

30歳以下でその当時のことを全く知らない方は是非「バブルへGO!!」という映画を見てください。ストーリーの好き嫌いはともかく、その当時のことをうまく表していると思います。特に私が好きだったのが当時、日本長期信用銀行に新卒で入行した劇団ひとりの「田島圭一」というキャラクターです。長銀はその当時日本ナンバーワンの銀行だったのですが、広末涼子の主人公「田中真弓」が「田島圭一」に「長銀に行くのやめな、潰れるから」と言ったことが一番印象に残っています。

でも、その当時の日本のバブルをご存じでない方も心配しなくても大丈夫です、当時ほどすさまじくはないとしても、常にバブルと言うものが存在します。最近ですとITバブル、アメリカの住宅バブル、今ですと金やコモディティバブル、中国全体のバブル、と言ったように。

なぜバブルが起きるのか?経済学からの観点で言うと、政策金利の高さ・低さや金融規制の緩和などが主の原因とされます。認知心理学者はパターン認識の問題にするそうです。そして、最近は神経科学者もバブルに興味を持ち始めているようです、このニューヨーク・タイムズのこの記事ではBaylor College of MedicineRead Montagueの実験を通じて、神経科学観点でバブルについて説明します。


まず実験の内容から:
-       実験の対象者には100米ドルと株式市場に関する情報が渡されます。
-       100米ドルの内いくらかを投資し、上がったか下がったかを実験します。
-       投資を20回続けます。
-       儲けは対象者に渡されます。
-       ただ、賭ける「マーケット」はバブル期にある1929年のダウ平均、1987年のS&P1999年のナスダックとなります。
-       賭けている間、Montague氏は脳神経の動きをモニターします。

そしてこの実験の結果です:
-       当然のように脳は褒美・利益を求めることが分かりました。
-       バブルの初期段階では最大限利益を求めて、ドーパミンの分泌量が多かったことが分かりました。
-       マーケットが上昇して行くにつれ、脳の尾状核にドーパミンが注ぎ込まれ、それによって対象者が興奮を覚え、マーケットにより多くの資金を賭けていきます。
-       しかし、ここで面白いことがわかりました、マーケットが上昇するにつれ、脳のドーパミンの分泌量が次第に減少して行くのがわかったのです。
-       Montague氏は「脳細胞がだんだん不安を覚え、何かがおかしいとわかったようです」と言います。
-       そして、バブルが弾ける直前、オーバーヒートしたため活動を停止したかのようにドーパミンの分泌が完全に途絶えます。
-       しかし、脳のほかの部分、例えば前頭葉前部などは利益を求める欲求から、ドーパミンの分泌が途絶えたことを気にしなくなり、マーケットが下がらない理由をいろいろと作り上げていくことがわかりました。
-       ドーパミンの分泌量を測って投資をすれば、普通の投資家よりも先にマーケットから抜け出る判断ができ、結果損をしないで済むという。
-       Montague氏は「脳を行きかうシグナルが我々より賢いと思うと不思議である」と言います。

さらに記事は:
-       まだ不完全な実験ではあるが、脳がどのようにマーケットを理解し、なぜ投機的な行動をとるのかが見えてきます。
-       人間の脳と言うのは単一な声ではなく、脳内で議論をしているため、もし正しくないほうの声に従うとバブルが起こるのです。
-       さらに、ほかの要素が加わるとよりこの性質が悪化すると言う。
-       例えば、他人や知り合いの儲け話を聞くことで、対抗心が生まれ、その結果リスクを忘れてしまい、投機に走りやすいとしています。
-       将来、神経科学が発達すると脳の動きからバブルを予測して事前に止めることができるようになるかもしれない。

としています。

まぁ、私の周りでは損をしていた人のほうが多いと思いますが、その方々から日本のバブルの思い出話をいろいろ伺いますと、ほとんどの人が笑いながら楽しそうに話をしますので、バブルはそんな悪いものでもないのかなぁ、と思ってしまいます。テレビなどでは笑えない話がたくさんありますのでなんとも言えませんが。

ただ、確実に言えることは、いつか弾ける中国のバブル、その時は笑ってなんかいられないでしょう

0 件のコメント:

コメントを投稿