/* Google Analytics ----------------------------------------------- */

2010年11月22日月曜日

インドのサブプライム問題:マイクロファイナンス

今回ブログをアップすると101回目となります!ブログを開始して約3ヶ月になりますが、36名の方々が読者になっていただき、数々の方がブックマークしましたと連絡いただきました。これまでに読んでくださった皆様ありがとうございます!感謝します。これからも宜しくお願い致します。

それでは本題の前に、アイルランドに関するアップデートです。これまで救済措置の必要性がないとしてきたアイルランドですが、昨日同国の財務大臣が救済を必要としていると認めたようです。IMFと欧州中央銀行とイギリスやスウェーデンも資金援助の用意があるということを発表したので、近々救済措置が発表されるのではないかと思われます。

ただ、フランスやドイツ等は救済の見返りに法人税増税を求める可能性があり、これに対してアイルランドは抵抗するものと思われ、ここをどう納めるかがポイントになりそうです。その理由が、低法人税のアイルランドにはグーグル、マイクロソフト、ヒューレット・パッカードやインテル等アメリカの大手企業が拠点を構え、100,000以上を雇用しているようで、法人税を増税することになれば他国へ流出を懸念しているようです。もし増税となれば最も痛む会社がグーグルだとされています。アイルランドを活用することによる節税で、グーグルの最終的な実質税率が2.4%とされており、年間31億米ドル、一株あたり100米ドルの節税だと言われています。法人税が増税されるとグーグルも株価にも影響を与えると思います。

それではマイクロファイナンスについてです。マイクロファイナンスとは無担保で小額のお金を貧しい人に貸し付ける金融のことで、融資を受けた人たちが新しい事業を始めることで将来の自立を支援するというものです。バングラデシュのグラミン銀行総裁のムハマド・ユヌスが2006年にノーベル平和賞を受賞したことで脚光を浴びました。インド、パキスタン、スリランカ、メキシコ、チリ、など世界中にマイクロファイナンスを行っている会社矢団体があります。

世界銀行によると、現在、開発途上国で貧しい人約16万人にサービスを提供している会社が7000以上あるとしている。 マイクロファイナンスの世界の売上高は25億米ドルと推定され、今後さらに成長の可能性あるとのことです。

バングラデシュのグラミン銀行によると、銀行の基準を満たす人の約94%は女性であるとし、借り手は約98パーセントの割合で返済を続けるとしております。同行は月に180万の貧しい借り手に3000万米ドルを貸し付けているとしている。

そういう可能性を秘めたマイクロファイナンスですが、インドでは破綻するのではないかとニューヨークタイムズが伝えています

マイクロファイナンスで行う融資の80%、合計40億米ドルをインドの銀行が出資しているようなのですが、高金利に対して支払いの義務はないとする地元政治家にのせられて融資を受けた人たちの返済が滞っているため、危機的状況が迫っているとしています。

元々NPOなどがマイクロファイナンスを行っていたのですが、近年ベンチャーキャピタルや世界銀行が収益を上げながら融資を行う方法をインドで模索していたそうです。インド以外でもアジアや南米やアフリカ等でも同じように収益をあげる方法でマイクロファイナンスによる融資を行う会社が増えてきたとしています。

返済能力が低い貧しい農村の人々に高金利で融資を行い、それによって毎年収益を倍増してきた会社もあるとしています。しかし返済に困って自殺する人が増えたりしてしたことで、インドのマイクロファイナンス融資の1/3を占めるAndhra Pradesh州では先月、議会が融資と返済の方法を厳しく制限する法律を通しました。これによって20億米ドルの返済が滞っているとしています。さらに、他州でも融資や返済も難しくなってきているとしています。

この問題が続くようだとインド版サブプライム問題に発展するのではないかと懸念されています。

SKS Microfinanceの上場がマイクロファイナンスへの逆風が強くなったきっかけではないかとされています。ショージ・ソロスやサンマイクロシステムズの創業者の一人Vinod Khoslaなどが出資するSKS社は8月に上場した際に3.5億米ドルを集め、同社会長のVikram Akulaは1300万米ドルを儲けたそうです。

今回のサブプライム問題化への懸念に対して同様の融資を行うBasix社会長のVijay Mahajanは、返済能力を超えた借り入れをしているのは全体の20%とし、さらに問題があるとするのは全体の1%前後だとし、問題が拡大する可能性は少ないとしています。

高金利という問題はあるかもしれませんが、研究では、8年間融資を受けずに貧困から抜け出せたのはわずか4%されているが、グラミン銀行から融資を受けたもの内48%が貧困ラインを抜け出すことができたとしている。

善意で貧しい人を救うのは難しいかも知れませんが、資本主義がきちんと機能すると効果があるのかも知れません。

0 件のコメント:

コメントを投稿