更新がお久しぶりになってしまいまして申し訳ありません。
この間アメリカでピッツバーグ・スティラーズ対グリーンベイ・パッカーズとの間でスーパーボウルが行われ、結局グリーンベイが勝ちましたが、毎年話題なのがCMです。何てったって30秒のスポットで2億円、制作費を入れると4億円以上とされているので、いつも楽しみにしていますが、今年私が一番好きだったのがこちらです:
他のアドも観たい方はこちらをご覧ください:
http://www.time.com/time/specials/packages/completelist/0,29569,2046668,00.html
さて、前回のブログ記事の続きになるのですが、最近世界で大変なのがコモディティの価格上昇です。
下記は「ELEMENTS Rogers Intl Commodity Index - Agriculture Total Return ETN (Public, NYSE:RJA)」と言いまして、農業セクター全体の価格を示したもので、ニューヨークに上場しているインデックスです。
おわかりになるかと思いますが、ここ8ヶ月ほどで価格が65%上昇しています。もし投資をしていたらかなりいいリターンを得ていたことになります(まだ上昇が続くかもしれませんが)。
でも、一日100円とか200円とかで生活している途上国の人々にしてみたらたまったものではありませんし、13億人を食べさせないといけない中国政府にしてもたまったものではありません。
中国国民としてみれば、今の政府で食べ物が食べられなければ国民はどうするか?
このような状況を引き起こしているがアメリカの大量のドルのばらまきで余ったお金が投機に流れ込んだのが一つの理由です。
ということは中国政府にしてみたら、アメリカにはばらまきを止めてもらいたい訳です。問題はどのようにして止めてもらうかです。
「お願いだから止めて」と言っても無理でしょう。アメリカだって選挙があるし、国民の生活、経済があるので、そう易々とは止められません、引けません。
お願いしてもダメなら、中国はどうするか?先が思いやられます。
2010年12月9日木曜日
中国:史上最強の国、それとも史上最強のバブル?
HSBCから200ページ以上の途方もない中国に関するレポートが出されていましたので後ほど簡単に紹介しますが、ページ数もさることながら、これを読むと中国という国が途方もないということを感じがします。その反対に中国の高官さえ国が発表するデータが当てにならないと言っていたことがウィキリークスで明らかになっています。
まず、その高官のお話し。ロイターやTelegraph紙に「ウィキリークス:中国高官、中国が発表するGDPを信用していない」と題した記事がありました。その高官とは現在の第一副首相で、時期首相最有力候補と言われている李克強。その李克強がまだ遼寧省の委員会書記だった頃の2007年にアメリカのクラーク・ラント駐中米国大使と会食した際の記録だそうです。
「李氏は遼寧省の経済評価の際、電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3つのデータだけに注目すると発言。公電は、「李氏は、これら3つの数字を見るだけで、経済成長の速さの相対精度を測ることができる、と述べた。他のすべての数字、とくにGDP統計は『参考用にすぎない』と李氏は笑顔で語った」と、ロイターでは伝えています。
これって、なんだか昔から怪しいと言われている会社の次期社長候補の副社長が部長時代に「うちの経理って適当に色づけしながら決算書を作っているんだよね」って言っているような話で、そんな会社に投資をしますか?株を買いますか?ということになりますよね。とは言っても、粉飾しようが脱税をしようが、バレないで成長してROIが高ければ結構という人もいますので、そこはリスクベネフィットを考えながら、賢く行きましょう!
その反対にこのレポートを読むと考えが変わってしまいます。200ページにも及ぶHSBCのレポートですが、市省の経済や実情が詳細に分かります。ここでは31の省の強みと課題が書かれており、今後5年を予想しています。また、この中で面白かったのが、各省の2000年と2009年と2020年のGDPを世界の国に当てはめた場合どこになるかとう言う地図。各省を国に例えてグラフ化しているこのレポート読むと、中国は今後永遠に成長をし、最終的には世界征服するのではないかという風に思ってしまいます。
それによると:
• 中央政府の戦略に乗っ取って経済活動が進んでいると思われているが、実際には地方政府や地方の高官に力が移住していて、彼らに大きな力と権限が与えられている。
• 中国の6つの州それそれのGDPが2020年までに1兆ドルを超えるとし、それはロシアを6倍にした規模となる。
• 中国の人口の47%は都会に住み、8つの都市は1000万人を超え、93都市が500万人を超えている。反対に500万を超える都市はアメリカにはニューヨークしかない。
• ワシントンDCのような北京は、シリコンバレーでもある。北京の中関村では23のハイテク企業が2009年にIPOしたが、シリコンバレーでは1社だけであった。2010年には35社がIPOをしている。
• 崑山市では世界のノートPCの半分にあたる、年間8500万台を生産しているが、IT関連製品は同市の製造品の上位に入っていない。
• 蘇州市の一人当たりのGDPは北京より70%、上海より46%高い。
• 人口1500万人のオルドス市のGDPは3年後には香港を抜くとされている。
• あと5年は現在のような成長が続くと思われる。
• 鉄道やクリーンエネルギーなどの分野の省レベルでの成長が国の目標値を超えている。それは、各省同士が競争をして予算を奪い合っているため。
• ただ、過剰生産能力に陥る危険性がある。崑山市と重慶市を合わせると世界のノートPCの80%を供給できる能力を持つことになる。
• また、過剰生産能力に陥ると不良債権が増える可能性が高まる。
• さらに、不動産価格の高騰のように、中央政府が価格を抑える手を打っても、地方の利権が勝って効果が無くなっている。
• このレポート書いて分かったことは、北京を押さえるだけでビジネスができるようにならない。ビジネスをするためには地方の役人も味方に付けないといけない。
A Guide to China's Regions, Provinces and Cities
まず、その高官のお話し。ロイターやTelegraph紙に「ウィキリークス:中国高官、中国が発表するGDPを信用していない」と題した記事がありました。その高官とは現在の第一副首相で、時期首相最有力候補と言われている李克強。その李克強がまだ遼寧省の委員会書記だった頃の2007年にアメリカのクラーク・ラント駐中米国大使と会食した際の記録だそうです。
「李氏は遼寧省の経済評価の際、電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3つのデータだけに注目すると発言。公電は、「李氏は、これら3つの数字を見るだけで、経済成長の速さの相対精度を測ることができる、と述べた。他のすべての数字、とくにGDP統計は『参考用にすぎない』と李氏は笑顔で語った」と、ロイターでは伝えています。
これって、なんだか昔から怪しいと言われている会社の次期社長候補の副社長が部長時代に「うちの経理って適当に色づけしながら決算書を作っているんだよね」って言っているような話で、そんな会社に投資をしますか?株を買いますか?ということになりますよね。とは言っても、粉飾しようが脱税をしようが、バレないで成長してROIが高ければ結構という人もいますので、そこはリスクベネフィットを考えながら、賢く行きましょう!
その反対にこのレポートを読むと考えが変わってしまいます。200ページにも及ぶHSBCのレポートですが、市省の経済や実情が詳細に分かります。ここでは31の省の強みと課題が書かれており、今後5年を予想しています。また、この中で面白かったのが、各省の2000年と2009年と2020年のGDPを世界の国に当てはめた場合どこになるかとう言う地図。各省を国に例えてグラフ化しているこのレポート読むと、中国は今後永遠に成長をし、最終的には世界征服するのではないかという風に思ってしまいます。
それによると:
• 中央政府の戦略に乗っ取って経済活動が進んでいると思われているが、実際には地方政府や地方の高官に力が移住していて、彼らに大きな力と権限が与えられている。
• 中国の6つの州それそれのGDPが2020年までに1兆ドルを超えるとし、それはロシアを6倍にした規模となる。
• 中国の人口の47%は都会に住み、8つの都市は1000万人を超え、93都市が500万人を超えている。反対に500万を超える都市はアメリカにはニューヨークしかない。
• ワシントンDCのような北京は、シリコンバレーでもある。北京の中関村では23のハイテク企業が2009年にIPOしたが、シリコンバレーでは1社だけであった。2010年には35社がIPOをしている。
• 崑山市では世界のノートPCの半分にあたる、年間8500万台を生産しているが、IT関連製品は同市の製造品の上位に入っていない。
• 蘇州市の一人当たりのGDPは北京より70%、上海より46%高い。
• 人口1500万人のオルドス市のGDPは3年後には香港を抜くとされている。
• あと5年は現在のような成長が続くと思われる。
• 鉄道やクリーンエネルギーなどの分野の省レベルでの成長が国の目標値を超えている。それは、各省同士が競争をして予算を奪い合っているため。
• ただ、過剰生産能力に陥る危険性がある。崑山市と重慶市を合わせると世界のノートPCの80%を供給できる能力を持つことになる。
• また、過剰生産能力に陥ると不良債権が増える可能性が高まる。
• さらに、不動産価格の高騰のように、中央政府が価格を抑える手を打っても、地方の利権が勝って効果が無くなっている。
• このレポート書いて分かったことは、北京を押さえるだけでビジネスができるようにならない。ビジネスをするためには地方の役人も味方に付けないといけない。
A Guide to China's Regions, Provinces and Cities
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中国経済
2010年11月29日月曜日
アイルランド支援とアメリカの量的緩和に対抗する中国の量的規制
風邪を引いてしまったせいで、ここしばらく更新を怠って申し訳ありませんでした。「いつ布団を厚くし、電気毛布をつけるか」という難しい課題・タイミングを間違えてしまい、先週のある寒い夜に風邪を引いてしまいました。
本題の前に、最近日本では市川海老蔵の話がいまだに話題になっていますが(個人的には暴走族が西麻布でのんきにモーニングしているお金があるとは思えないので、そうなりますとその上組織となり、まぁ「覚えていない」と言いたくなる気持ちもunderstandします…)、今日はレスリー・ニールセンが亡くなったという個人的に悲しいニュースがありました。「裸の銃を持つ男」で有名になりましたが、あのおバカ加減が大好きでした。週末に彼の映画を再度観ようと思います。
さて、久しぶりのブログ更新ですが、最近気になる経済ニュースはアイルランドが援助を受け入れたという話、それから先日アメリカが行った量的緩和に対する中国の対策の「量的規制」の話でしょうか。
まず、ヨーロッパですが、アイルランドが日本時間の11月28日深夜にIMF/EUの支援を受け入れると発表しました。額としては850億ユーロ(約9.5兆円)規模となり、そのうち350億ユーロが銀行に使われ、500億ユーロが国の生活費に使われるそうです。金利は「結構高いなぁ」と思う、5.8%になります。受け入れに対してアイルランドが最も抵抗していた法人税増税は見送られました(インテルとグーグル株をショートした人はカバーしないといけません)。融資の条件として今年32%だった赤字を、来年は10.3%、再来年には9.1%にしないといけないそうです。また、社会保障の削減や増税、公務員10%の削減などが条件に含まれています。収入が6.7万米ドル(約600万円)の平均的な家族の場合5,800米ドル(約50万円)の増税になるそうです。お金がないのだから借りるしかなく、条件についてとやかく言える立場にないとはいえ、当然のようにアイルランド国民は反発しており、政権交代になりそうです。
そして、アイルランドの次に叩かれると言われているポルトガルの国債が7%と、今月初めにつけた高値に戻り、そのポルトガルに対してドイツが支援受け入れを迫ったとドイツ紙が報道したため、その火消しに追われています。
ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニもポルトガルも支援が必要になるとインタビューで答えています。また、シティグループチーフエコノミストのウィリアム・ブイターは先週、ポルトガルは年内に救済が必要になり、そのあとすぐにスペインも必要になると言っていました。ポルトガルはともかく、救済しないといけないけど救済するには大きすぎるスペインをどうするか、ドイツにとって大きな問題になりそうです。
ちなみにIMFへの出資で日本はアメリカに次ぐ第2位ですが、日本は今回IMFに新たに約1000億米ドル出資するとしています、ヨーロッパ救出に我々日本人の税金が活用されることとなります。
さて、続きまして中国ですが、アメリカが量的緩和を行ってから中国を含む途上国にドルが流入し、株や土地等にお金が流れ込んで、資産の価格が高騰し、バブっています。日本でも日経平均が高くなっていますが、それ以上に途上国は上昇していました。
量的緩和によるお金の流入に対して中国はカウンターとして量的規制を行うと言われています。なぜ金利を上げるなど一般的な方法でお金の流通を押さえることをしないかと言いますと、ドルとのペッグ、国内の需要と雇用の安定を保たせるためには急激な金利の上昇はリスキーであると考えているからのようです。
量的緩和は中央銀行がお金を発行したり、資産を買い取ったりすることで、金利を下げずにお金の流通量を多くし、それによって経済活動を高めることを言います。量的規制はその反対にお金の発行を減らしたりすることで金利を上げずにお金の流通量を減らし、それにより、経済活動を冷やすことになります。
ドイツ連邦銀行総裁のアクセル・ヴェーバーは中国とアメリカの関係について次のようなことを言っています。ここ10年の問題は赤字の国と黒字の国の双方の問題よるものである。アメリカの赤字は国民全体の低預金によって引き起こされているのに対して、中国等の途上国は輸出に有利な為替政策をとったことで黒字になった。特に中国はこの黒字を中国国内で使うより、米ドルを中心に外貨準備で保有し続けており、黒字国からすると何ら問題ないこととは言え、ショックを受けた場合の世界経済を脆弱にしている。このアンバランスが世界経済へのリスクであり、均等にすることが赤字国と黒字国の今後の課題である、としています。
このように、アメリカの量的緩和は中国の為替政策に対するアメリカの施策であり、これによって中国のドルペッグを外し、世界貿易を均等にする目的があると思われます。
要するに、アメリカの量的緩和と中国の量的規制の「いたちごっこ」ということになります。地球が文明化される前なら戦争になっていてもおかしくないこの状況で、どちらが先に音を上げるか…
本題の前に、最近日本では市川海老蔵の話がいまだに話題になっていますが(個人的には暴走族が西麻布でのんきにモーニングしているお金があるとは思えないので、そうなりますとその上組織となり、まぁ「覚えていない」と言いたくなる気持ちもunderstandします…)、今日はレスリー・ニールセンが亡くなったという個人的に悲しいニュースがありました。「裸の銃を持つ男」で有名になりましたが、あのおバカ加減が大好きでした。週末に彼の映画を再度観ようと思います。
さて、久しぶりのブログ更新ですが、最近気になる経済ニュースはアイルランドが援助を受け入れたという話、それから先日アメリカが行った量的緩和に対する中国の対策の「量的規制」の話でしょうか。
まず、ヨーロッパですが、アイルランドが日本時間の11月28日深夜にIMF/EUの支援を受け入れると発表しました。額としては850億ユーロ(約9.5兆円)規模となり、そのうち350億ユーロが銀行に使われ、500億ユーロが国の生活費に使われるそうです。金利は「結構高いなぁ」と思う、5.8%になります。受け入れに対してアイルランドが最も抵抗していた法人税増税は見送られました(インテルとグーグル株をショートした人はカバーしないといけません)。融資の条件として今年32%だった赤字を、来年は10.3%、再来年には9.1%にしないといけないそうです。また、社会保障の削減や増税、公務員10%の削減などが条件に含まれています。収入が6.7万米ドル(約600万円)の平均的な家族の場合5,800米ドル(約50万円)の増税になるそうです。お金がないのだから借りるしかなく、条件についてとやかく言える立場にないとはいえ、当然のようにアイルランド国民は反発しており、政権交代になりそうです。
そして、アイルランドの次に叩かれると言われているポルトガルの国債が7%と、今月初めにつけた高値に戻り、そのポルトガルに対してドイツが支援受け入れを迫ったとドイツ紙が報道したため、その火消しに追われています。
ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニもポルトガルも支援が必要になるとインタビューで答えています。また、シティグループチーフエコノミストのウィリアム・ブイターは先週、ポルトガルは年内に救済が必要になり、そのあとすぐにスペインも必要になると言っていました。ポルトガルはともかく、救済しないといけないけど救済するには大きすぎるスペインをどうするか、ドイツにとって大きな問題になりそうです。
ちなみにIMFへの出資で日本はアメリカに次ぐ第2位ですが、日本は今回IMFに新たに約1000億米ドル出資するとしています、ヨーロッパ救出に我々日本人の税金が活用されることとなります。
さて、続きまして中国ですが、アメリカが量的緩和を行ってから中国を含む途上国にドルが流入し、株や土地等にお金が流れ込んで、資産の価格が高騰し、バブっています。日本でも日経平均が高くなっていますが、それ以上に途上国は上昇していました。
量的緩和によるお金の流入に対して中国はカウンターとして量的規制を行うと言われています。なぜ金利を上げるなど一般的な方法でお金の流通を押さえることをしないかと言いますと、ドルとのペッグ、国内の需要と雇用の安定を保たせるためには急激な金利の上昇はリスキーであると考えているからのようです。
量的緩和は中央銀行がお金を発行したり、資産を買い取ったりすることで、金利を下げずにお金の流通量を多くし、それによって経済活動を高めることを言います。量的規制はその反対にお金の発行を減らしたりすることで金利を上げずにお金の流通量を減らし、それにより、経済活動を冷やすことになります。
ドイツ連邦銀行総裁のアクセル・ヴェーバーは中国とアメリカの関係について次のようなことを言っています。ここ10年の問題は赤字の国と黒字の国の双方の問題よるものである。アメリカの赤字は国民全体の低預金によって引き起こされているのに対して、中国等の途上国は輸出に有利な為替政策をとったことで黒字になった。特に中国はこの黒字を中国国内で使うより、米ドルを中心に外貨準備で保有し続けており、黒字国からすると何ら問題ないこととは言え、ショックを受けた場合の世界経済を脆弱にしている。このアンバランスが世界経済へのリスクであり、均等にすることが赤字国と黒字国の今後の課題である、としています。
このように、アメリカの量的緩和は中国の為替政策に対するアメリカの施策であり、これによって中国のドルペッグを外し、世界貿易を均等にする目的があると思われます。
要するに、アメリカの量的緩和と中国の量的規制の「いたちごっこ」ということになります。地球が文明化される前なら戦争になっていてもおかしくないこの状況で、どちらが先に音を上げるか…
2010年11月18日木曜日
中国バブルが熟熟に熟して派手に弾けるとき
みなさまこんにちは!明日は千葉でゴルフコースをラウンドするためブログが更新できないと思いますので、今日は少し長めに書かせていただこうと思います。
本題の前に、昨日のブログでお伝えしましたがアイルランドがIMFとEUからの経済援助を受けるかどうか、そしてこの問題がアイルランド以外に飛び火するかが注目されています。このことについてブルームバーグでは「マーケットがアイルランド食べ尽くしたら、次はポルトガル、そしてスペイン、そのあとはイタリアとフランスと渡りいくだけである。1つ国を救う度にドミノが倒れる、その度に断層線が広がり、最終的にユーロが取り払はらわれるまで続く」としています。
さらに、「ユーロは面白い試みだったが結果として間違っていた。それは、参加している経済があまりにも違いすぎて、一つの中央銀行がすべての経済をマネージするのは無理があったのである。金利はそれぞれの国によって差が生まれるのである。その症状はいろいろな形で現れる、ギリシャは財務、アイルランドは銀行、スペインは住宅、ドイツは巨大な貿易黒字。でも川がいずれ海に流れ着くように、問題はいずれ現れる」としています。
というわけで、ユーロの問題は長らく続きそうな予感がします。
それでは本題の中国に入ります!
今の中国経済に関しましては大きく分けて2つの意見があります、一つが、中国の経済成長には不可能という言葉がなく、このまま成長し、近いうちに世界第一位の経済大国になるという意見、これはどこかで聞いたことのある話で、誰も日本の経済成長を信じて疑わなかった80年代の日本の状況と同じです。もう一つが、中国は熟熟に熟している巨大なバブルで、今にも弾き飛ぶという考えで、80年代後半の日本の状況に近いということから、バブルが近々弾けるという意見です。
結果がどちらになろうとも、今の中国経済が過熱しているのは明らかだと思います。中国政府がきれいにこの熱を冷ませるか注目され、その冷まし方次第で世界経済に大きな影響を与える可能性があります。
そういう中で、ここ最近、中国株が下がっています。その要因の一つがゴールドマン・サックスと野村証券が中国から資金を撤退すべきという内容のレポートを出したからとされています。彼らがあげている一つの理由が、ここ最近の物価上昇、インフレのためです。インフレが原因で中国政府が近々熱を冷ましに入るのではないかということのようです。
このインフレについて、フィナンシャルタイムズの記事では、原料価格の上昇から、北京のビッグマックの価格が最近14元から15元になったそうです。食料などを中心に物価が上昇していることから、中国政府が価格上昇を制限する強行処置をとるのではないかとするものの、以前の事例からすると効果は薄いとみられることから、今後預金者は土地や株などの資産購入へ走る可能性があるとしています。
さらに、ブルームバーグによると、野村証券のレポートにも中国政府が食料の価格上昇にキャップをかけるのではないかとしています。10月の物価上昇率が4.4%と予想されています。このため、10月19日に0.25%上げ、5.56%となった金利を最短で11月19日に再度引き上げるのではないかとしています。
今の中国の状況について、ニューヨークのヘッジファンドKynikos AssociatesのJames Chanosは、近々中国の土地バブルが派手に崩壊すると、フォーチュンの記事が伝えています。この記事について少し詳しくお伝えしたいと思います。
James Chanosはエンロン、タイコやサブプライムの空売りで、崩壊の時に大もうけをしたことで有名です。そのチャノス氏は先日アメリカのテレビで中国経済のことを「ドバイ×1000倍」とし、さらに「地獄へまっしぐらに向かっている」としていて、当然ながら中国をショートしているそうです。
彼が、中国をショートしようと考え始めた理由が、2009年にコモディティと鉱物の株を調べていたら、毎回中国の建設に行き着いていたからだそうです。そしてある日、アナリストの話を聞いていると、そのアナリストは「中国では新たに50億平方メートルの住居とオフィスを造っている」と話したそうです。それに対してチャノスは「小数点の間違いでは?」と言ったが、間違いではなく、計算をすると、300億平方メートルの新しい建設物があることがわかり、中国の人口が13.3億人であることから、中国のおじいちゃん、おばあちゃん、大人、子供を含む全国民一人に対して約3平方メートルが与えられる計算になる。それを考えたとたん、中国はこれまで人類がやってこなかったことをやっているのだと思った、としています。
そのチャノスですが、これまで中国に行ったことがないそうですが、その理由が「行ったら、投資家が謎の地震で一人死亡、とニューヨークの新聞の見出しになる」からとしています(笑)。
また、土地価格のデータは中国政府のデータや自社でデータベースを開発したとしていて、自分たちが聞きたい情報だけで判断はしていないとし、これについて「私はエンロンで働いたことがないので、データは作り物ではない」としています(笑)。
中国では固定資産への投資がGDPに占める割合が60%だそうです。さらに新規の不動産販売がGDPに占める割合が14%だそうです。この理由についてチャノスは「中国の個人投資家は人民元をどこに置くか制限されている。インフレ率が3%前後だから、銀行に入れてマイナス利回りで損をするか、ボラティリティが高い証券市場に入れるかしかないため、不動産しかオプションが残らないのである」としています。
中国に多くの住宅やオフィスが空のままになっていると以前このブログでもお伝えしましたが、チャノスはこれについて「これは大きな問題であり、新たな物件が作られるにつれて今度ますます悪化していく」としています。
チャノスはさらに「ドバイの建設ブームのとき、100万ドルのGDPに対して240平方メールの土地が開発されていたが、今の中国の割合はドバイの4倍である。この結果がどうなるかこれまで幾度となく見てきている、例えば数年前のドバイ、90年代後半のタイやインドネシア、そして80年代後半の日本のように」としています。
中国不動産はレバレッジされていないからバブルが弾けたとしても大丈夫だとよく言われています。CLSA証券によると中国で販売された住宅のうちローンで購入されたのは40%だとし、その場合でも30%の頭金が支払われているとしています。
しかしながら、中国商業銀行の融資のうち11%はLGFVと呼ばれる地方政府の投資会社に充てて行ったものであるとチャノスは言います。このLGFVのバックは政府のため、融資された資金の多くはレバレッジをかけられて、不動産投資に使われているとしています。ノースウェスタン大学のビクター・シー教授の調査では、これらLGFVは2004年から2009年にかけて1.6兆米ドルの新規融資を受けたとしています。中国政府の調査で融資のうち26%がハイリスクとしている、そうです。
今の中国経済はただ過熱していて今後ますます成長するのか、それともバブルのまっただ中で今にも弾けそうなのか、その答えはこれからの世界経済の状況と、中国政府の対応次第だと思います。ただ、日本経済の10倍の規模がある経済が、このまま成長したら大変なことになりますし、派手に弾けたらこれもまた大変なことになります。みなさまはどちらだと思いますか?
本題の前に、昨日のブログでお伝えしましたがアイルランドがIMFとEUからの経済援助を受けるかどうか、そしてこの問題がアイルランド以外に飛び火するかが注目されています。このことについてブルームバーグでは「マーケットがアイルランド食べ尽くしたら、次はポルトガル、そしてスペイン、そのあとはイタリアとフランスと渡りいくだけである。1つ国を救う度にドミノが倒れる、その度に断層線が広がり、最終的にユーロが取り払はらわれるまで続く」としています。
さらに、「ユーロは面白い試みだったが結果として間違っていた。それは、参加している経済があまりにも違いすぎて、一つの中央銀行がすべての経済をマネージするのは無理があったのである。金利はそれぞれの国によって差が生まれるのである。その症状はいろいろな形で現れる、ギリシャは財務、アイルランドは銀行、スペインは住宅、ドイツは巨大な貿易黒字。でも川がいずれ海に流れ着くように、問題はいずれ現れる」としています。
というわけで、ユーロの問題は長らく続きそうな予感がします。
それでは本題の中国に入ります!
今の中国経済に関しましては大きく分けて2つの意見があります、一つが、中国の経済成長には不可能という言葉がなく、このまま成長し、近いうちに世界第一位の経済大国になるという意見、これはどこかで聞いたことのある話で、誰も日本の経済成長を信じて疑わなかった80年代の日本の状況と同じです。もう一つが、中国は熟熟に熟している巨大なバブルで、今にも弾き飛ぶという考えで、80年代後半の日本の状況に近いということから、バブルが近々弾けるという意見です。
結果がどちらになろうとも、今の中国経済が過熱しているのは明らかだと思います。中国政府がきれいにこの熱を冷ませるか注目され、その冷まし方次第で世界経済に大きな影響を与える可能性があります。
そういう中で、ここ最近、中国株が下がっています。その要因の一つがゴールドマン・サックスと野村証券が中国から資金を撤退すべきという内容のレポートを出したからとされています。彼らがあげている一つの理由が、ここ最近の物価上昇、インフレのためです。インフレが原因で中国政府が近々熱を冷ましに入るのではないかということのようです。
このインフレについて、フィナンシャルタイムズの記事では、原料価格の上昇から、北京のビッグマックの価格が最近14元から15元になったそうです。食料などを中心に物価が上昇していることから、中国政府が価格上昇を制限する強行処置をとるのではないかとするものの、以前の事例からすると効果は薄いとみられることから、今後預金者は土地や株などの資産購入へ走る可能性があるとしています。
さらに、ブルームバーグによると、野村証券のレポートにも中国政府が食料の価格上昇にキャップをかけるのではないかとしています。10月の物価上昇率が4.4%と予想されています。このため、10月19日に0.25%上げ、5.56%となった金利を最短で11月19日に再度引き上げるのではないかとしています。
今の中国の状況について、ニューヨークのヘッジファンドKynikos AssociatesのJames Chanosは、近々中国の土地バブルが派手に崩壊すると、フォーチュンの記事が伝えています。この記事について少し詳しくお伝えしたいと思います。
James Chanosはエンロン、タイコやサブプライムの空売りで、崩壊の時に大もうけをしたことで有名です。そのチャノス氏は先日アメリカのテレビで中国経済のことを「ドバイ×1000倍」とし、さらに「地獄へまっしぐらに向かっている」としていて、当然ながら中国をショートしているそうです。
彼が、中国をショートしようと考え始めた理由が、2009年にコモディティと鉱物の株を調べていたら、毎回中国の建設に行き着いていたからだそうです。そしてある日、アナリストの話を聞いていると、そのアナリストは「中国では新たに50億平方メートルの住居とオフィスを造っている」と話したそうです。それに対してチャノスは「小数点の間違いでは?」と言ったが、間違いではなく、計算をすると、300億平方メートルの新しい建設物があることがわかり、中国の人口が13.3億人であることから、中国のおじいちゃん、おばあちゃん、大人、子供を含む全国民一人に対して約3平方メートルが与えられる計算になる。それを考えたとたん、中国はこれまで人類がやってこなかったことをやっているのだと思った、としています。
そのチャノスですが、これまで中国に行ったことがないそうですが、その理由が「行ったら、投資家が謎の地震で一人死亡、とニューヨークの新聞の見出しになる」からとしています(笑)。
また、土地価格のデータは中国政府のデータや自社でデータベースを開発したとしていて、自分たちが聞きたい情報だけで判断はしていないとし、これについて「私はエンロンで働いたことがないので、データは作り物ではない」としています(笑)。
中国では固定資産への投資がGDPに占める割合が60%だそうです。さらに新規の不動産販売がGDPに占める割合が14%だそうです。この理由についてチャノスは「中国の個人投資家は人民元をどこに置くか制限されている。インフレ率が3%前後だから、銀行に入れてマイナス利回りで損をするか、ボラティリティが高い証券市場に入れるかしかないため、不動産しかオプションが残らないのである」としています。
中国に多くの住宅やオフィスが空のままになっていると以前このブログでもお伝えしましたが、チャノスはこれについて「これは大きな問題であり、新たな物件が作られるにつれて今度ますます悪化していく」としています。
チャノスはさらに「ドバイの建設ブームのとき、100万ドルのGDPに対して240平方メールの土地が開発されていたが、今の中国の割合はドバイの4倍である。この結果がどうなるかこれまで幾度となく見てきている、例えば数年前のドバイ、90年代後半のタイやインドネシア、そして80年代後半の日本のように」としています。
中国不動産はレバレッジされていないからバブルが弾けたとしても大丈夫だとよく言われています。CLSA証券によると中国で販売された住宅のうちローンで購入されたのは40%だとし、その場合でも30%の頭金が支払われているとしています。
しかしながら、中国商業銀行の融資のうち11%はLGFVと呼ばれる地方政府の投資会社に充てて行ったものであるとチャノスは言います。このLGFVのバックは政府のため、融資された資金の多くはレバレッジをかけられて、不動産投資に使われているとしています。ノースウェスタン大学のビクター・シー教授の調査では、これらLGFVは2004年から2009年にかけて1.6兆米ドルの新規融資を受けたとしています。中国政府の調査で融資のうち26%がハイリスクとしている、そうです。
今の中国経済はただ過熱していて今後ますます成長するのか、それともバブルのまっただ中で今にも弾けそうなのか、その答えはこれからの世界経済の状況と、中国政府の対応次第だと思います。ただ、日本経済の10倍の規模がある経済が、このまま成長したら大変なことになりますし、派手に弾けたらこれもまた大変なことになります。みなさまはどちらだと思いますか?
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中国経済
2010年10月22日金曜日
チャイナ・サボタージュ
中国に関しましてこのブログを読んでくださる読者からご質問やご意見を良く頂きます。例えば今の状況や今後の経済の見通しや社会情勢などについてです。
私個人としては今後中国には大きく分けて3つの改革が必要になってくると思います。それは「社会構造の改革」、「政治構造の改革」、「経済構造の改革」。
この3つの改革は三角形の線で結ばれていて、どれか一つでも行わなかったり、遅れたりしたら、ハードランディングになる可能性が高いと思います。
10月20日に「チャイナ・ショート」と題した記事をブログにアップしましたが、この中で改革が必要な時期が中国に押し迫っているという内容の記事を2つご紹介いたしました。一つが、国内の治安が悪化していることから「社会構造の改革」が必要な時期が押し迫っているという記事。二つが、下から上へ向かうイノベーションが今後の経済発展に必要不可欠であるが、今の政治、中国共産党の一党独裁では無理であるため「政治構造の改革」が必要な時期が押し迫っているという記事、をご紹介しました。
最後の「経済構造の改革」について考えてみたいと思います。
今の中国の状況を80年代から90年前半のバブル景気の日本と並べて考える人が多くいます。当時の日本も高度経済成長の末期で、日本の膨大な貿易黒字、アメリカの膨大な貿易赤字、皇居の土地の価格=カルフォルニア、ジャパンマネーで海外資産買いあさり、など今の中国に近いと言えば近いです。しかし、その後日本のバブルは弾け、20年近くに渡って低成長率が続いています。
そして今、中国共産党は日本と同じにならないように、日本の失敗を教本としていると言われています。
1970年代末期のようなドル危機の再発を恐れた先進国は、協調的なドル安を図ることで合意した。とりわけ、アメリカの対日貿易赤字が顕著であったため、 実質的に円高ドル安に誘導する内容であった。これが『プラザ合意』である。
発表の翌日の1日(24時間)で、ドル円レートは1ドル235円から約20円下落した。1年後にはドルの価値はほぼ半減し、150円台で取引されるようになった。
アメリカが変動相場・自由経済をプラザ合意で日本に押し付けたことで、ウィキペディアでもありますように:日本においては急速な円高によって『円高不況』が起きると懸念されたため、低金利政策を継続的に採用した。この低金利政策が、不動産や株式に対する投機を促進し、やがてバブル景気をもたらすこととなる。
やがてバブルが弾け、それによってアメリカが「勝ち」日本が「負けた」とされています。
これを知っている中国は、今のアメリカが当時の4倍の2500億米ドル(約20兆円)という、膨大貿易赤字を抱えていながらも、変動相場・自由経済を拒み続けているのです。
そして当時の日本と違い、今のアメリカは中国に変動相場・自由経済を押しつられるようなレバレッジがありません。例えば:
- 日本ほど今の中国はアメリカに依存していない
- アメリカは当時よりも影響力が弱まっている
- 北朝鮮やイランなど中国の影響力が及ぼす問題がある
- 80年代半ばにアメリカが日本に円の切り上げを押しつけたことで、日本は経済的腹切りをさせられることとなった。
- このセオリーが日本の右寄りの考えで、今中国の政府が人民元の切り上げを拒む理由となっている。
- しかし、これは間違っていて、この間違えが中国経済に危険を及ぼす可能性がある。
- 当時の状況はこうである、まず、プラザ合意で円が切り上げられ、以降ひたすら上昇することとなる。
- 切り上げによる競争力低下を日本が容易したのは服従したからではなく、自信に満ちていたからである。切り上げても成長は止まらないと考えていたのである。
- この考えは正しく、結局1986年の不景気は短く浅いものであった。
- そして、円高によって日本企業の海外進出に繋がり、強みになると考えていたのである。
- この考えも正しく、自動車産業などは海外に拠点を作ることとなった。
- さらに、円が強くなることで家計の購買力が強まるこの機会に、日本経済を輸出から内需にシフトする機会だと考えたのである。
- しかし、これが間違いであった。
- 1986年の短くて浅い不景気のあと政府は30ヵ月間、銀行融資の増加、土地の価格の上昇、株価の上昇を見て見ぬふりをしてしまった。
- なぜそうしたのか?それはどんなバブルでもいっしょで「今回は違う」と彼らは考えたのです。彼らはオピニオンリーダーや学者が言う「日本の経済の成長は止められない」や「日本は世界一の経済になる」ことを真に受けたのである。
- 日本は経済的腹切りをしたが、それは円の切り上げによるものではなく、資産価格高騰によって腹を切ったのである。
- 1989年末には世界の株式市場の時価総額の半分が日本にあり、皇居の土地の価格がカルフォルニアの値段と一緒であるとされた。
- このようなことになる必要はなかったのです、なぜならば、プラザ合意でもう一つ標的となった国がドイツであった。
- 1985年から1990年までの間、マルクと円は対ドルでともに約40%上昇した。
- しかし、日経平均がバブルで約3倍になっている間、ドイツのDAX市場は50%しか上昇しなかったのである。
- 分かるように、円の価値が日本を沈めたのではなく、その後の政策的対応が大きな間違いであったのである。
- このため、中国の今後の成長をサボタージュしたいのであれば資産価格上昇による巨大なバブルを作り上げればいいのである。
- そのためには、今の人民元の価値を保てばいいのである。
- そうすれば高い成長率を維持する中国の金利は低成長率を維持するアメリカとペッグされ、低金利のため中国の預金は利回りが高い株式市場や住宅に移り、バブルが出来上がっていく。
- このようになれば、中国のバブルは派手に弾け、コモディティの価格が暴落し、第二弾のデフレが起こり、インドやブラジルやロシアなどのエマージングマーケットも同じように派手に弾けるであろう。
要するに、このまま何もしなければ中国は勝手にバブルを作り上げ、勝手に派手に弾けると言うのがタスカの意見なのである。
いずれにしても中国は近い将来「社会構造の改革」、「政治構造の改革」、「経済構造の改革」が必要になるという難しい局面に入る可能性が高いです。ソフトランディングできれば日本や世界への影響が少ないと思いますが、ハードランディングともなればその爆風はすごいことになるでしょう。
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中国経済
2010年10月20日水曜日
チャイナ・ショート
昨晩、中国人民銀行は一年物の貸出利率と預金利率をそれぞれ0.25%引き上げたと発表しました。このことで世界経済の成長が弱まるのではないかという心配からアメリカ株や日本株などが下がっています。中国の需要に影響される金、銀などの金属、石油が大きく値を下げ、これに伴って、コモディティ通貨である、オーストラリアドル、カナダドル、南アフリカランドも弱まっています。
ここ最近の中国の住宅価格、小売、ローン貸出残高、消費者物価などのデータを見ると中国の景気が減速気味でありながらも過剰流動と価格上昇がみられることから、それを懸念して利率を上げたものだと思います。
先日のブログ「印刷機をフル稼働して現ナマを印刷するワケ」でご紹介した史上最高の偽造者であろうが、下記のアルジャジーラのビデオのように必要のないものを作って経済成長をしようが関係なく、世界経済をけん引しているのは紛れもなく中国であり、その中国が引き締めに走ると世界経済、日本経済も影響されます。
この経済的なポジションの強さによって恫喝に等しいことをしてもまかり通ってしまうのです。例えばレアアースの日本への止めているとされていましたが、日本だけではなく、アメリカやヨーロッパへの輸出も削減するとされています。
- 世界第2位の経済大国、年10%の経済成長、世界最大の外貨保有国、世界最大のエネルギー消費国である中国は地政学的に最強でないはずがない。
- 表向きそうであっても中を見て見るとその強さに対して疑念を抱く理由が2つある。
- 一つが、国内の治安維持に1年間に750億ドル(約7兆円)を使っていること、
- 二つが、中国首脳の話す内容、例えば温家宝首相が8月に深川で「改革をしない限り中国共産党が政権の座にいられる日数が限られる」と言ったとされることや、今年初めの政府のレポートには「汚職、国内紛争や不平等が将来の繁栄に影響を及ぼす」と書かれている。
- 中国は外からは強く見えるが、内政的にはいくつもの地雷が埋まっている、例えば、環境問題、経済的不平等、民族問題や社会のアンバランスなど。
- 中国共産党は改革を行う時間がもっとあると考えていたが、GDPが短期に伸びすぎたため時間が減り、誤算してしまった。
- この様な成長過程の国では必ず権力者同士で争いが起きる。
- また、ロシア等でもそうであったように、弁護士、市民社会団体などが台頭し変革を求めるようになる、そしてだんだん政治色を強めることとなる。
- 年間9万件とされるデモが示す通り、共産党がいつまで変革を先延ばしにできるかは分からないが、もし、中国がこの変革をうまく乗り切れればアメリカに並ぶ大国となるであろうが、かなり難しい「もし」となるであろう。
このブログでも幾度かお話ししましたが、中国にはいろいろな問題が蓄積しています。そして、この記事がいうように残された時間があまりないのです。これら問題を先延ばしするために国民の目を中国共産党や内政の問題から、海外の問題、例えば尖閣、日本、アメリカ等に向けようとしているのです。
国内の治安維持の750億ドルが示すように、中国共産党は海外より自国民を恐れているのです。ナショナリズムを盾にする中国の小手先手段に乗らないように日本も我慢をしなければなりません。
そういう中で中国をショート・空売りするかという話を「中国の自由・権利のロング」と題した記事でニューヨーク・タイムズのトーマス・フリードマンが書いていましたので、ご紹介したいと思います。どうすればチャイナ・ショートできるかユダヤ人と一緒に考えましょう。
- 中国の不動産市場が今後下がるという予想から、最近ショートする話が話題になっている。
- 私に言わせるとそんなものは「ちっぽけ」な話だと思う、もっと面白いショートの機会が中国にはいっぱいある。
- 中国には経済の自由と権利があっても、政治の自由と権利が与えられなければこの様な成長は続けられない。きっとゴールドマン・サックスがクレジット・デフォルト・スワップを発行してくれて、中国が反対を取るであろう。
- ノルウェーは劉暁波氏にノーベル賞を与えたが、中国に対するメッセージはこの様なものであったと思う「自由と権利、それ自体に価値があり、それがなければ、人間はすべてのポテンシャルを発揮できない。21世紀の世界で繁栄したいのであれば自由と権利は必要不可欠なものである」と。
- 政治学でもっとも興味がある質問が「インターネットを制限し、ニュースメディアを国が支配し、共産党によって政治権力が独裁され、この様な中国がこのまま繁栄できるのか?」という質問であろう。
- 私は無理だと思う。
- これまでは経済の自由と権利で、ここまですさまじい成長を果たしたのは確かである。
- でも「調子に乗り過ぎて、引力の法則まで塗り替えられる」と勘違いをした考えをしないようにと、ノーベル賞は中国にメッセージを与えたのだと思う。
- したがって、経済の自由と権利であるレベルには行けるかもしれないが、政治の自由と権利がなければその次のレベルへはけして行けない。
- 私がなぜ中国共産党が早く変革すると思っているかと言うと:年をとる前に金持ちにならないといけない、からである。
- 近い将来、政府の保障がないままに高齢者を養わないといけなくなる。
- また女性より男性の方が2000万から4000万人多いとされ、その埋め合わせをしないといけない時期が来る。
- そのためには中国国民全体の収入を増やすべく、労働人口を知識やサービス産業に移管しなければならない、しかし、問題はここにある。
- 今の知識産業は企業内や海外の企業と自由に情報とアイディアを共有できるソーシャル・ネットワークが主流となりつつある。
- 企業と国が今後繁栄するためにはいろんなところに点在する自分より頭のいい頭脳を結びつける必要がある。
- SRI InternationalのCEOのCurtis Carlsonは言う「教育へのアクセスが容易になり、イノベーションするツールが安くなった。下から上へ向かうイノベーションは混乱を伴うが、そっちの方が賢い。反対に上から下に向かうイノベーションは整理されているが、バカげている。」
- もし中国の農民6億人がツイッターの会員になったらどうなるだろう?多分そこまでの下から上へ向かうエネルギーに中国政府は耐えきれないのではないか。
- これは北京にとって大問題である。
- 中国には混乱を受け入れる余裕がなく、時間をかけて下から上へのエネルギーを増やす猶予がない。
- 中国共産党は、この様な急務をどうやってバランスを保たせながら進めていくのか全く分からない。
- もしかしたら彼らは劉暁波氏に聞いてみるといいのかも。
2010年10月4日月曜日
経済関係のもろもろのニュースと、それから思うこと
朝にだいたい毎日更新をしていましたが長文の記事を書くのは久しぶりになります。今日は、ここ最近の経済ニュースをいろいろとピックアュプして、私が思うことを書いていきたいと思います。
さて、菅内閣の支持率が下がったと各報道機関が報じています。理由は当然中国と衝突→釈放船長の一連の民主党政府の対応で、読売新聞では、支持率が9月中旬と比較して13%減の53%となり、支持しないが12%上昇して37%になっています。痛々しいのが「外交・安全保障政策に不安を感じる人は84%に上った」、これはもともと自民党が民主党の欠点として、去年の衆議院選挙で訴えていたことでした。それが具現化したかたちです。でも、その自民党の支持率はというと、16%と前回調査の18%から減っているというありさま。
この支持率の報道に対して民主党は「支持率低下に衝撃:政権の能力示さねば…」と読売新聞にありますが、私的にはその民主党の反応に衝撃です、9月27日時点で民主党政府の支持率は下がりとブログで言っています。そんなことより、船長を釈放したほうがよっぽどの衝撃です。
こんなことを書いている途中に円安が一気に進みました、民主党政府が介入したのでしょうか、それとも先週と同様に介入したと思うという憶測で進んだのか。それにしても、何度もブログで述べていますが、政府の対中政策はお粗末でしたが、為替介入・問題はそれ以上にお粗末でした。でも、為替問題も、以前にもお話ししましたとおり、そもそも中国にしてやられた可能性があるのです。中国にやられっぱなしでジャブを受けていますが、カウンターを考えているのかどうか… 良くもまぁ国として成り立っているなぁと真剣に考えてしまいます。よっぽど国民が優秀だと。
そう言う中で今日から2日間、日銀の政策決定会合が行われます。焦点は追加の金融緩和政策の有無で、円高や8月工業生産率の0.3%減少などから、なんらかの政策を打ち出す可能性は高いと思います。特に円高とそれを阻止するための介入は全くもって無駄で、新しい手立てが必要です。
そんな中で、アメリカは11月に入ってから量的緩和策Part 2を行ってくると思われます。「9月29日のアメリカ市場:最高の9月でした」でもお伝えしましたが、その規模も尋常ではない、今後6カ月に渡って3兆ドル、約240兆円ほどだとZeroHedgeでは予測しています。私は以前から日本は他国より紙幣印刷用の印刷機の回転率が悪いことと、内需拡大の必要性についてお伝えしてきました。でも日銀は円発行の乱発を嫌い、政治家と官僚と変革を嫌う人たちは内需拡大を嫌います。
そう言う中で、まともなことを言っている人を発見しました、それは内閣府の水野和夫大臣官房審議官で、先日ブルームバーグのインタビューに答えていました。その中で水野和夫は「為替市場での円高・ドル安傾向が続く中、短期的には市場介入を通じて日本経済の「火事」を止める必要があるとする一方、中長期的には円高の利益を享受できるように体質改善が必要だとの考えを示した」と。また、「中期的にドル安と考えなければいけない。ずっと介入をやり続けるかと言うと、介入の効果もだんだん薄れてくる」とし、金利も下がって日米の「金利差がなくなってくる」と説明し、さらに、「円高・ドル安が日本の購買力を引き上げて、生活水準を上げていくような体質に変えていかなければならない」としている。
限りなくまっとうな意見だと思います。あえて言うならば、短期的には市場介入が必要としていますが、3年以上円高傾向が続いていて、榊原英資などは史上最高を更新するとずっと言っている中で、日本ができる唯一の手段が為替介入である、と言うのはいかがなものか。先見性が無いか、無策か、バカか、と言われても仕方ないと思います。
「円高・ドル安が日本の購買力を引き上げて、生活水準を上げていくような体質に変えていかなければならない」まさしくその通りだと思います。
そこで同じような問題を抱える中国に注目が集まります。
以前に、なぜ中国が毎年突出したGDPの成長率を維持できるのか、それは誰も住まない街をとりあえず作り、さらには作ったものはすぐに取り壊し新しいものを作っているからで、この様なことで、世界のコンクリートの40%を消費して、20億㎡のビルを毎年新たに作り出しているのです。どう考えてもこの様な状況で長期にわたって経済を維持するのは不可能であると、お伝えしました。
要するに中国は日本の輸出・高貯蓄率によるインフラ・工業投資から成り立つ高度経済成長モデルを応用して、現在の経済を作り上げたのです。
1970年の日本はGDPの内、消費が占める割合が48%、インフラ・工業が占める割合が40%でした。それが1985年には、消費が54%、インフラ・工業の割合が28%になり少し修正されて行きました。
近代の発展した経済の割合は消費が65%、インフラ・工業の割合が15%だとされています。
そう言う中で、現在の中国はなんと消費が36%、インフラ・工業の割合が50%だと言われています。しかも、改善どころか悪化していると言われています。
さらには、日本は高齢化社会になる前に裕福な国になりましたが、中国の場合は裕福になる前に高齢化社会になる可能性があります。予想では20代の働き手が2030年までに半減するとされています。中国にとって人口ピラミッドでもあまりいい状況ではありません。
- 中国の構造的問題を解決する
- 内需を拡大することで経済を安定化する
- インフレと汚職が問題である
- 中国は貿易黒字を目的としていない
- 中国はユーロの安定を望んでいる
- ヨーロッパの債券の売るようなことはしない
としています。
日本のバブルを弾けて20年近く経ちますが、今なお構造問題を解決できていません。中国は日本と違い、バブルが弾ける前にこの様な問題を解決したいと温家宝が言っていますが、実際にできるかが大きな問題です。日本は構造問題を解決する前に円高が進み、バブルが弾け、痛々しくいまだに後遺症が続いています。日本以上に偏った経済と日本の10倍上の人口を抱えた中国のバブルは必ず弾けます、その時構造問題が解決しているかいないか大きな違いになります。その爆風に巻き込まれないようにしたいものです。
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