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2010年10月27日水曜日

中国米国裏工作が功を奏し、金融緩和策の規模縮小?

今朝アメリカの量的緩和策第2弾(Quantitative Easing part 2: QE2)についてTwitterでフォローさせていただいています方とやり取りをしました、この金融緩和策に対する考えについて更新をしたいとも思います。

連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee: FOMC)が来週の火曜日、112日から2日間開催され、113日に金融緩和策として量的緩和策第2弾が発表されると見られています。それがどれだけの規模になるかが今、注目されています。

フィナンシャル・タイムズでは、マーケットの予想として6ヶ月間に渡って5000億米ドル(40兆円)規模での資産買い取りだとし、政策金利に換算すると0.50.75%に引き下げに相当するとニューヨーク連邦準備銀行のWilliam Dudleyは話したそうです。

ただ、この記事では金融緩和策を発表した後が問題だとし、今後の追加緩和策の有無についてどういう形式で「含み」を持たせるかが重要だとしています。それは、ゴールドマン・サックスが「テーラー・ルール」(目標インフレ率を達成するために名目金利をどれだけ変動するべきか)を使って計算したところ、4兆米ドル(30兆円)が必要だとしているためです。

さらに、ドイツ銀行の予測は以下の2通りです:
-       1214日に行われる連邦公開市場委員会の次の会議までに1250億米ドル(10兆円)規模の金融緩和を行う(強硬論)
-       もしくは、6ヶ月間に渡って5000億米ドル規模の金融緩和を行う(穏健派)

タイトルで「中国米国裏工作が功を奏し、金融緩和策の規模縮小」と書きましたが、それは、以前、中国が人民元を「気持ち程度」切り上げることでアメリカが量的緩和の規模を下げる、という裏取引をするのではないかと書きました。その理由は、先週中国が若干ですが人民元を切り上げ、金利を引き上げましたが、それによって、以前は対中に厳しいスタンスを取っていたガイトナー財務長官が穏やかになったからです。

ただ、中国との取引があったかなかったかを別として、FRBとアメリカ政府は大規模な金融緩和策・量的緩和をしたくてもできないのではないかとも思います。

その理由として、アメリカ政府は今、量的緩和で自国の経済を膨らせ・外国から嫌われるか、それとも量的緩和をしないで自国の経済を凋ませ・国内から嫌われるかを天秤にかけて考えていると思います。

まず、量的緩和策によって「自国の経済を膨らませる」効果は最近のアメリカ株の上昇、9月以降15%近くS&Pなどは上昇していることからもわかりますように、効果が現れています。以前「印刷機をフル稼働して現ナマを印刷するワケ」という題の記事で:
FRBはアメリカ経済をいかにして膨らませるか、そのためにはドルをいくらでも印刷する覚悟があるのだと思いました。世界がどうなろうが、各国がどうしようが、それはバーナンキ、しいてはアメリカの問題ではないということだと思います」
と書きましたが、アメリカの本音はこういうことだと思います。

しかし、「自国の経済を膨らませる」ことによって「外国から嫌われる」効果も日本、韓国、タイ、ブラジル、コロンビア、ペルー、ロシア、スイス、ルーマニアなどの国による為替介入が示すようにこちらも効果が表れています。また、G20財務相・中央銀行総裁会議はつまらなかったですが、その中で、アメリカは量的緩和によって通貨操作をしているとドイツから名指しをされたことが示すように、現実論も存在します。アメリカが量的緩和を大々的に実行してしまうと貿易戦争に発展し、関税や為替介入が横行しかねません。

でも、これに屈して量的緩和をしないと発表して「自国の経済を凋ませ」てしまうと「国内から嫌われる」可能性があります。厳密には国内の投資家が失望し、株が暴落する可能性があると思います。それは、9月以降15%近く上昇している株価が下落することにつながります。

ということは、外国からも国内からも嫌われない真ん中・中央の妥協点で落ち着くということになります。例えば2500億ドル程度の資産を買い戻し、必要だったら追加措置の用意がある、と言った具合の内容です。

来週の水曜日FRBがどのような発表をするか大変注目であります。

そして日本にしてみると、量的緩和が縮小されれば円高の流れは少し落ち着くと思います。

しかし、長期トレンドで為替を見ますと、円高ドル安の流れは2008年から続くものなので、アメリカ経済の回復、アメリカの金利上昇、日本のインフレ、日本円の流通用の上昇など劇的な変化が無い限り、為替のトレンドの変化を望むのは難しいと思います。

2010年10月26日火曜日

1ドル79.70円とこれからの日本...

ここ数日ニュースが無いため、ブログ更新のためのネタがなかなか見つかりませんでした。その理由は112日から始まる連邦公開市場委員会(FOMC)で決定されると思われるアメリカの量的緩和第2弾の(QE2)に世界が固唾を呑んで待っている状況のためです。

G20の財務相・中央銀行総裁会議が韓国に集まって行われ、このニュースをお伝えしようかと思っていたのですが、結局会議は無駄に時間を過ごして終わってしまいました。

今日は円高について更新したいと思います。

G20後の円高・ドル安はというと、ますます拍車がかかって、いつ戦後最高値の1ドル79.70円を上回るか、カウントダウンに入っているように思います。

以前ブログで書きましたとおり、日本は円高・ドル安で購買力を引き上げて、生活水準を上げていくような体質に変えていかなければならない、と伝えしましたが、先進的な企業は今後も円高・ドル安が進むとみてその対策に取り組んでいるようで、少しは安心しました。例えば産経新聞には「東芝社長、「1ドル=70円に耐える経営体制」目指す」や、同じく産経には「ドル建て輸入、原料安でメリット…円高歓迎!元気企業リスト」という具合に円高・ドル安に対応すべく考えをシフトするところも現れています。

為替介入の是非と円高の別な考え方」と題したブログでもご紹介しましたように、円高・ドル安は政治家と官僚と変革を嫌う人にとってマイナスなのです。円高は日本の終わり、世の終わり、と思わせたい政治家は多いです、例えば:ブルームバーグの記事で、五十嵐文彦財務副大臣が「投機的円高に断固たる姿勢-サプライズ介入に効果」とバカにしているのかと思うような内容が盛りだくさんで、本当にがっかりします。

この記事で五十嵐氏は「急速な円高に懸念を表明した」そうなのですが、問題は円高ではなくドル安なのです。結果的に、円高=ドル安になるのですが、根本的原因はドルの大量印刷によってドルが安くなり、それを要因として円高が進んでいると言うことです。根本的な問題は円高ではなくドル安なのです。このため、小手先の「介入」ではアメリカが行う量的緩和第2弾に太刀打ちできないのです。

さらに五十嵐氏は「サプライズがあれば、為替介入にも一定の効果があるとの見方を示した」としているが、82円が防衛ラインとか言った政府がどうやったらいまさら市場にサポライズしてもらうのか?前回の介入規模×30=約1000兆円の金額を投じないと誰も驚かないと思います。そしてサプライズされたとしても効果はせいぜい1週間でしょう。

そして五十嵐氏は挙句の果てには、円高は「日本にとっては好ましいことではない。大変心配している」と、まったくド素人発言。心配は素人でも出来ますが、どうすればいいのかを示すのが政治家の責務。とはいえ、五十嵐氏は、文学部とはいえ、あの東京大学を卒業しているのだから、私のようなバカのために言っていると信じたいものです。

アメリカの共和党は「小さな政府」が必要だといいます、その理由の一つとして、政府・政治は民間企業の自由と成長(Free Market)の妨げになるという考えからです。そろそろ日本もそういう考えに戻ってもいいのかなぁ、と考える今日この頃です。

円高・ドル安の擁護→内需拡大の必要性についての話題をブログで書きますと円高によって痛んでいる企業・会社があると、お叱りのお言葉を頂きます。円高によって痛んでいる企業・会社があることは重々承知しています。

しかし、円高になることで、遅れている国内のサービス産業の改革が進み、競争が起き、それによって、国際的な競争力が高まるのではないかと思っています。そのことのほうが将来の日本にとって重要ではないかと考えます。

以前も書きましたが、今まで日本は競争を避けてきたのです。競争しなければ競争力が低下します。新しことを学ぼうとしません。進歩しません。外国企業は日本に入れなければ他国に行きます。他国に行けば他国の競争力が上がります。日本は進歩しないのです。当然、そう言うオプションもあってもいいと思います。そうなった場合には国内の競争力のある人や会社が海外に行けばいいだけの話です。でも、日本人としてそれはむなしい気がします。

こういう状況ながらも私は安心しています、円高はさらに進むでしょうが、政治主導ではなく、国民一人一人、企業一社一社が努力して改革することで立ち直り、日本はきっと今よりも大きく成長すると。

2010年10月14日木曜日

通貨戦争とその結末

今の状況を簡単な例にしますと、世界最大の輸出国の中国が世界最大の輸入国のアメリカの喉に安物の食べ物を押し込もうとしているのです。でも、そのアメリカはここ数十年もの間、安物をいっぱい食べ過ぎたことで肥満になり、糖尿病になり、合併症を引き起こし、重病になってしまいました。それでもなお、中国はアメリカの喉に食べ物を押し込もうとし、なおかつ、日本やドイツや韓国などの脇役も割って入ろうとしているのです。景気のいい時はワークしていたこの構図も、アメリカが重病となった今(失業率が20%)、むしろ今あるものを吐き出して・薬を投与されないといけない状況で、この構図に限界が来ているのです。

重病になってもう食べられない国(アメリカ)と、体質を変えて代わりに食べようとしない(中国)との間で通貨戦争が起こっているのです。

このようなことが続くとどうなるか、その前例が大恐慌後の1930年代の世界です。

その当時も、世界各国がいかに自国の通貨を安くして、輸出によって不景気を脱出しようかとどの国も考えていたのです。その結果が第二次世界大戦で、今もこのような状況が続くと1930年代と同様に世界戦争が起こる可能性があるのです。

よくこの話をすると、「日本の憲法が戦争をさせない」とか「あの時と比べて世界は成長した」とか言われますが、第一次世界大戦のことを何と呼んでいたかと言いますと英語で「War To End All Wars」、「すべての戦争を終わらす戦争」と。

第一次世界大戦が終わって国際連盟など世界の秩序を保つアイディアが生まれて、人類は賢くなったとその時は思ったようです。でも、それから約20年後に第二次世界大戦が開戦しました。

別に戦争が起こると思っていませんし、起こってほしいとも思いませんが、何事にも可能性があります、1ドル40円になる可能性もあれば、日本やアメリカがデフォルトをする可能性もあれば、戦争が起こる可能性もあります。

そう言う中で、フィナンシャル・タイムズのMartin Wolfどうやって頑固な中国と通貨戦争をするか」と題した記事。内容を簡単に:

-       中国と通貨戦争をすべき時期に来たか?その答えはイエスの可能性が高い。
-       中国は自国の通貨を操作しているのか?GDPの半分を外貨準備に使っていて、それが操作ではないと言ったら何が通貨操作になるのか。
-       操作をするのは問題か?世界最大の輸出国が通貨操作をしていたら当然世界貿易に歪みが生じる。
-       そのためには中国に何をしてもらわないといけないのか?それは通貨を柔軟にしてもらわなければならない。
-       それは日本と同じことをさせるわけで、1990年以降の日本と同様に失われた10年となる可能性が高いことを中国は知っている。
-       でも、Lombard Street ResearchGabriel Steinによると、当時の日本の1人当たりのGDPはアメリカに近かったが、今の中国は5分の1前後であるので、人民元が強くなったとしても、まだ成長の余地が残されているとしている。
-       最後の質問は、どのようにすれば中国の方針を強制的に変えさせることができるか?交渉の余地はまだある。それがだめなら中国製品への課税の可能性もある。もしくは貿易によって影響を受けた国は自国の通貨を中国が買えないようにする(例えば日本なら、日本との貿易で生まれた黒字部分を円建ての国債で穴埋めしようとしてもできないようにする)。
-       課税はWTOの自由貿易協定に反する可能性があるのに対して、中国が通貨を買えなくするのは問題が無い。

さらには、イギリスTelegraphAmbrose Evans-Pritchard通貨戦争必要」と題した記事があり、この中でアムブローズは:
-       ドルをほぼ無限に発行できるアメリカは、
-       中国とG20に対して、捕食習性をやめて、世界経済のバランスを再調整する打開策を話し合わなければ、
-       原爆となるQE2(量的緩和第二弾)を始めることで、
-       世界中にドルを過剰流動し、事実上の通貨切り上げを行うと宣告している。
-       世界は危険な状況に差し掛かっていて、石油やコモディティの価格が上昇して景気が悪化する可能性がある。
-       でもこれにより、70年以上「世界通貨」となっていたドルの「法外な恩恵」を手放す可能性がある。
としています。

アメリカは景気を回復させるためには何としてでも中国に通貨を流動的にさせるか、もしくはそれに近い状況に持って行かそうとすると思います。

なぜアメリカはここまでするのか、一つは、アメリカがもっとも恐れているのがデフレであり、アメリカはいま、その交差点の近くに差し掛かっていて、日本のような状況がもっとも最悪なシナリオだと考えているから。二つは、アメリカはこのままの中国を恐れていて、早い段階で変革させることで秩序を保たせたいとと考えているからだと思います。

11月行われると言われている量的緩和は一世一代の大チャンスであり、目的が達成されるまで続けると思っています。それが世界にどのような影響を与えようがおかまいなしに。

そうすると円は強まる一方です

政府民主党は円高を抑えることは出来ない、自民党であろうが公明党・共産党であろうが無理だと思います。そうなると日本はどうしないといけないか、それは円安による輸出型の経済から円高による内需型の経済に対応できるような体質を作らなければなりません。そのためには政権与党の民主党は「みんなで力を合わせて内需型になろう!頑張ろう!」、と言って選挙に大敗し、内需拡大と言う新たな道を切り開き、手遅れになる前に国民に理解・納得してもらわないといけないと思います。

しかし、日本よりもっと怖い道筋をたどる可能性がある国が中国です。日本と違って、一党独裁、政治不安、選挙が無い、少数民族が多い、貧富の差が大きいなど、追い込まれたらどうなるかわからない。例えば戦争とか。

「日本の憲法が戦争をさせない」とか「あの時と比べて世界は成長した」と初めに書きましたが、日本がそうであっても他国が同じ考えをもって土俵に上がっているとは限りません。

2010年9月17日金曜日

実はそれほど円高でもない円高

円高と為替介入の話はそろそろ飽きてきた、でもブログを書かれる方はご存じだと思いますが、意外と話題を探すのが大変です、そういった意味では今回の円高と為替介入はネタを作っていただいたことに対しては感謝しないといけないと思っています。

さて、今日ツイッターでもツィット?ツィート?したのですが上院銀行委員会の委員長が直接日本を名指しで批判し、中国と同等と言われました。こういうことになる前にもう少し円安になってほしかったと思います。委員会ではガイトナーに直接日本の介入に関する質問をしてくれないだけ助かりましたが、それもいつまで続くか。今日中に86円台になってほしかったですが、それも難しい状況となりました。

それでは本題ですが、介入の話題が盛り上がっていたのはここ1カ月ちょっととなりますが、その間しばらく思っていたことだったのですが、日本はここ15年近くデフレが続いているので、日本円の価値ってどうなったの?と。私は昔から文系なので、こういう理系的な問いには弱く、あまり深くは考えられなかったのですが、ここ数日その問いに答えるような記事とかレポートとかが出されてきました。

要するに、仮に円がここ15年の間に10%強くなっていたとしても、デフレによって輸出企業の原価が10%下がっていれば、+/-0ということで15年間企業のコストは変わっていないはず、ということになります。

以下のグラフはローターが作成したもののコピーですが、ご覧のように青線の名目では円がここ3~4年ぐらい強くなってきているのがわかります。でもオレンジの円の実質価値の線では1995年から大きく(32%)下がっているのがわかります。15年もの間、円の価値がデフレによって大幅に下がっているということになります。



















フィナンシャル・タイムズのリチャード・キャッズが言うには
-       円が一昔前ほど激安ではなくなったことに対して輸出企業は文句を言っている。
-       でも2002年以降は円安であったにもかかわらず、日本製品の世界における割合は減少し続けている、としている。
-       OECDのデータでは、日本製品の世界におけるシェアのピークは1986年の13.5%であった。
-       それが2007年には8.4%まで減少している。
-       日本のDVDプレイヤーのシェアが1995年に95%あったのが、2006年には20%になった。
-       LCDのシェアが1995年に100%だったのが、2006年には20%になった。
-       DRAMのシェアが1995年に40%だったのが、2006年には10%になった、としている。
-       この様に通貨が安かったにも関わらずマーケットシェアが減っているということは、競争力が低下しているとしている。

この後の考え方は、以前に書きましたブログ「為替介入の是非と円高の別な考え方」に近いので、もし読まれていないようでしたら、読んでいただけると幸いに思います。

来週から為替の話題はやめて違うところに持っていきたいと思っていますが

2010年9月16日木曜日

強かな中国に日本はしてやられたのか?

皆様もご存じのように昨日から日本政府は円相場に介入して、必死に円高の流れをくい止めようとしています。私の考えは昨日「為替介入の是非と円高の別な考え方」で書かせて頂きました。

ちなみに円ドル相場には、一日に5,680億ドル、約50兆円のお金が動いているそうです。日本が前回介入した2004年より、円ドル市場は73%拡大しています。世界の為替市場を合わせると400兆円が一日に動いているそうです。このような途方もないお金の流れを日本政府は変えようとしているのです。

そういう中で、昨日の夜から「Tim Duy's Fed Watch」というブログに書かれた内容がアメリカの経済系ブログの間で話題になっています。以前、私が書きました「円高の理由が中国にある?」に関係してきます。そのとき私が書きました内容が:

「中国は6月に4567億円、7月に5830億円分の日本国債を購入し、総額で2.3兆円分を保有していると財務省が発表しています。さらに、中国は現在総額で2.4兆米ドル(約200兆円)の外貨を保有していると言われ、その内訳が、65%がアメリカドル、26%がユーロ、5%がイギリスポンド、3%が日本円、と言われているようです。ユーロ圏の最近の問題で中国としては、この内訳を変えたいと考えていると思われており、その変わりが日本債券=日本円ということのようです。」

中国が日本の国債を買っていたのにはもと深い、強かな理由があったのではないかというのが今回Tim Duyのブログの内容です。

-       以前説明いたしましたとおり、中国は輸出で成り立っています。
-       それを有利に進めるためには、中国は人民元安・ドル高を望んでいます。
-       人民元安・ドル高を実現するため、輸出した分のドル(米国債)を買っていました。
-       以前私は、ドルの量が増えすぎたためにリスクヘッジのために円(日本国債)を買っているとしました。
-       しかし、今回Tim Duyは、この中国の円(日本国債)買いはリスクヘッジではないのではないかとしています。その流れが:
-       中国が日本国債・円を買うと円が強くなります。
-       このため、円高・ドル安となります。
-       これを続けると円高が進み、日本は介入せざるおえなくなります。
-       そして昨日、中国の念願どおり、日本が介入して円を売ってドルを買ったのです。
-       中国は円を通じて間接的にドルを手に入れたのです。

なぜそんな面倒なことをと言いますと、中間選挙を控えるアメリカから為替操作国と名指しされたくない、からです。

現に今日、米国下院でもっとも力を持つ員会とされる、歳入委員会が中国の為替操作について議論を始めたところに、日本が為替介入し、日本は為替操作国とされてしまったわけです。中国は歳入委員会が始まる日に日本が介入するのを狙っていたのではないかと思いたくなるようなタイミングで日本は介入したのです。

さて、理由はともかく、日本は介入してしまったので、果たして短期的に成功できるか、今週と来週いっぱいが大事になります。重要なのは:

-       米政府、財務省、FRBが日本に対する表立った批判をする前に
-       ヘッジファンドなどの投機筋が円高ベットをしても無駄だと思わすことができるか

にかかってくると思います。

長期的に見ますと、介入したことによる効果などまったくもってあるはずがなく、そんなことは政府、財務省、日銀は当然分かっていると思います。現に6年前介入したにもかかわらず15年ぶりの高値を昨日更新しましたので。


2010年9月15日水曜日

為替介入の是非と円高の別な考え方

今日の午前中、日本政府は2004年以来、約6年ぶりに円相場に介入しました。一時1ドル82.88円だった円相場が、介入から1分足らずで83円台後半を付け、午後1時過ぎには84.97を付けました。

「そんなに効果があるんだったらもっと早くやれよ!」という声が聞こえてきそうです。

でも、昨日の選挙が終わって勝たなければ介入するだけの政治的力が菅直人にはなかったのかもしれません。そして勝てたので介入でき、最初の仕事として印象を残すには十分な効果がある「初仕事」だったと思います。

ただ、本当に円相場に介入していいのか?将来の日本にとっていいのか?冷静になって考えてみたいと思います。

以前にも「円高のバカらしい議論?」というタイトルでブログを書きましたが、円高は政治家と官僚と変革を嫌う人にとってマイナスなのです。一般的に輸出企業にとってマイナスだと思っている人が多いと思いますが、この後説明したいと思いますが、実はそうでもないのです。その前に一言、輸出企業に投資をしている人たちにとって、株価が下がるからマイナスですが、それは自己責任で論外です。

実際、優れた輸出企業はすでに円高に対するヘッジ(工業の海外移転、金融商品など)を長年に渡って行ってきているのです。デキの悪い会社はヘッジしていないかもしれませんが、そう言う会社はそれ以前の問題で、円高有無にかかわらず、淘汰される可能性が高く、どうしょうもないと思います。

さて、円高は政治家と官僚と変革を嫌う人にとってマイナスと言いましたが、それはなぜかと言いますと、日本でもっとも国際競争力が劣るのは国内のサービス産業だと言われています。今回の円相場介入は輸出企業の業績保護というよりは、国内のサービス産業の保護、必要な改革を遅らせている、のだと思っています。

簡単に説明しますと:
-       円高になると、円の価値が高く(強く)なり、海外通貨の価値が低く(弱く)なる。
-       為替の動きが「自然」だったとすると、真水が塩水と混ざることで中和されるのと一緒で、為替も「適当」な「中間」所で落ち着くはずです。
-       このため、為替が「中和」されるまでは、日本からの輸出品が高くなり、海外からの輸入品が安くなります。
-       このため、上記理由から海外(弱いところ)から安い製品が一杯日本に輸入されてきます。
-       安い輸入品が増えると日本国内の物価・物が安くなります、現に「円高還元セール」をイオン、ヨーカドーなどのスーパーを中心に行っています。
-       ただ、ここで問題なのが、海外から安い製品が一杯入ってくると、日本で作り日本で売っている会社とその製品が、輸入品との価格競争にさらされます。
-       例えば、円相場が1ドル120円の時にサマンサタバサやポーターのバッグが3万円、コーチやフェンディのバッグが5万円だったとすると、サマンサタバサやポーターのほうが40%ほど「お買い得」です。
-       しかし、円相場が80円になったらサマンサタバサやポーターの価格は変わらず3万円でも、コーチやフェンディのバッグは40%以上安くなり、4つの製品には「お買い得」なものが無くなり、あとは品質やブランドバリューや好みの問題となってしまいます。
-       この様な事はいろいろなものに当てはまってきます、例えば、お米、外食産業、お酒、宅急便、携帯電話、PCiPhone、薬、印刷、広告、ホームページ制作などなど。
-       要するに、海外からの「物」だけでなくサービスなども日本国内に参入しやすくなるのです。
-       この様に考えると、今まで円安によって保護されていたのは日本国内の市場で、輸出企業ではなかったと考えることができます。

こう書くと、聞こえてきそうなのが、「じゃ、円高は2倍だめじゃないか」と。そこで先ほど述べました「円高は政治家と官僚と変革を嫌う人にとってマイナス」と言うところに戻るのです。

「政治家と官僚と変革を嫌う人」はこの国内の競争力向上に手を付けたくないのです。海外の会社が日本国内に参入して「シマ」を荒らされたくないのです。多くの方は「あーそうだ!」と思うかもしれません。

しかし、競争しなければ競争力が低下します。新しことを学ぼうとしません。進歩しません。日本に入れなければ他国に行きます。他国に行けば他国の競争力が上がります。日本は進歩しないのです。当然、そう言うオプションもあってもいいと思います。そうなった場合には国内の競争力のある人や会社が海外に行けばいいだけの話です。でも

先ほどある海外のあるブログを読んでいて、このような内容が書かれていました、「日本政府の介入の動きを過大していて、日本の影響力が下がっている中で日本が円介入しても、世界経済に与える影響は少ないのではないのではないか。このことによる問題はむしろ、日本が介入したのだから中国がしてもいいと思うことである。その方がよっぽど怖いと」はっきり言って悔しいです。

さて、海外の反応です:

・今回介入したことで投機筋が排除されることで円安の流れに変わるのではないかとしている。
・三井住友銀行は年内には史上最高値の1ドル79.75円を超えるとしている。