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2010年12月9日木曜日

中国:史上最強の国、それとも史上最強のバブル?

HSBCから200ページ以上の途方もない中国に関するレポートが出されていましたので後ほど簡単に紹介しますが、ページ数もさることながら、これを読むと中国という国が途方もないということを感じがします。その反対に中国の高官さえ国が発表するデータが当てにならないと言っていたことがウィキリークスで明らかになっています。

まず、その高官のお話し。ロイターTelegraph紙に「ウィキリークス:中国高官、中国が発表するGDPを信用していない」と題した記事がありました。その高官とは現在の第一副首相で、時期首相最有力候補と言われている李克強。その李克強がまだ遼寧省の委員会書記だった頃の2007年にアメリカのクラーク・ラント駐中米国大使と会食した際の記録だそうです。

「李氏は遼寧省の経済評価の際、電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3つのデータだけに注目すると発言。公電は、「李氏は、これら3つの数字を見るだけで、経済成長の速さの相対精度を測ることができる、と述べた。他のすべての数字、とくにGDP統計は『参考用にすぎない』と李氏は笑顔で語った」と、ロイターでは伝えています。

これって、なんだか昔から怪しいと言われている会社の次期社長候補の副社長が部長時代に「うちの経理って適当に色づけしながら決算書を作っているんだよね」って言っているような話で、そんな会社に投資をしますか?株を買いますか?ということになりますよね。とは言っても、粉飾しようが脱税をしようが、バレないで成長してROIが高ければ結構という人もいますので、そこはリスクベネフィットを考えながら、賢く行きましょう!

その反対にこのレポートを読むと考えが変わってしまいます。200ページにも及ぶHSBCのレポートですが、市省の経済や実情が詳細に分かります。ここでは31の省の強みと課題が書かれており、今後5年を予想しています。また、この中で面白かったのが、各省の2000年と2009年と2020年のGDPを世界の国に当てはめた場合どこになるかとう言う地図。各省を国に例えてグラフ化しているこのレポート読むと、中国は今後永遠に成長をし、最終的には世界征服するのではないかという風に思ってしまいます。

それによると:
• 中央政府の戦略に乗っ取って経済活動が進んでいると思われているが、実際には地方政府や地方の高官に力が移住していて、彼らに大きな力と権限が与えられている。
• 中国の6つの州それそれのGDPが2020年までに1兆ドルを超えるとし、それはロシアを6倍にした規模となる。
• 中国の人口の47%は都会に住み、8つの都市は1000万人を超え、93都市が500万人を超えている。反対に500万を超える都市はアメリカにはニューヨークしかない。
• ワシントンDCのような北京は、シリコンバレーでもある。北京の中関村では23のハイテク企業が2009年にIPOしたが、シリコンバレーでは1社だけであった。2010年には35社がIPOをしている。
• 崑山市では世界のノートPCの半分にあたる、年間8500万台を生産しているが、IT関連製品は同市の製造品の上位に入っていない。
• 蘇州市の一人当たりのGDPは北京より70%、上海より46%高い。
• 人口1500万人のオルドス市のGDPは3年後には香港を抜くとされている。
• あと5年は現在のような成長が続くと思われる。
• 鉄道やクリーンエネルギーなどの分野の省レベルでの成長が国の目標値を超えている。それは、各省同士が競争をして予算を奪い合っているため。
• ただ、過剰生産能力に陥る危険性がある。崑山市と重慶市を合わせると世界のノートPCの80%を供給できる能力を持つことになる。
• また、過剰生産能力に陥ると不良債権が増える可能性が高まる。
• さらに、不動産価格の高騰のように、中央政府が価格を抑える手を打っても、地方の利権が勝って効果が無くなっている。
• このレポート書いて分かったことは、北京を押さえるだけでビジネスができるようにならない。ビジネスをするためには地方の役人も味方に付けないといけない。
A Guide to China's Regions, Provinces and Cities

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