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2010年12月1日水曜日

アイルランド、そして続きまして〜

「アメリカ外交公電流出事件」ですが、ウィキリークスすごい話題になっていますね。ウィキリークス創設者の一人、ジュリアン・アサンジがフォーブスのインタビューで外交文書の次はアメリカの銀行の内部資料を公にするそうです。まだ銀行名ははっきりしていませんが、バンク・オブ・アメリカだと言われています。今更に銀行が秘密を持って悪いことをしていたことが分かったからと言って、何にビックリするのか分かりませんが、まぁ、そういうことなので、そういうことで。ちなみにジュリアン・アサンジは強姦罪で当局が捜査しているそうですが、これもまた陰謀でしょうか?(陰謀ものの映画とか大好きです)。

尖閣諸島のビデオ流出もそうなのですが、技術の発達やインターネットの普及等によって「秘密」を秘密にしておくのが難しくなってきました。夫婦生活と一緒ですね。結婚生活が長くなればなるほど見通されてしまいます。私も見習って、そして反省をしつつ、これを機に妻に「秘密」を作るのをやめることにしました。はい。

さて、アイルランドの今の状況を作り上げた大きな要因がドイツだということで、ドイツに対する風当たりが強くなっています。というのも、国有化されたドイツ版ファニー・メイ/フレディ・マックのHypo Real Estateやドイツの銀行は1390億米ドルにも及ぶ未払金がアイルランドにあり、The Peterson Institute for International EconomicsのJacob Funk KirkegaardによるとこれはドイツのGDPの4.2%になるそうです。

ドイツを含むヨーロッパの余ったお金がアイルランドに流れてバブルを作り上げたということになります。このため今回の問題はお金を使ったアイルランドだけの責任ではなく、与えたドイツにも責任があるのだから、ガタガタ言うな、となっているわけですね。

その、アイルランドが9000億ユーロで売りに出されていました。

フィナンシャルタイムズのマーティン・ウルフが「アイルランド問題がユーロ国にとって試練となるか」と題した記事の中で、なぜこのような危機になり、今後について書かれた記事がありましたので、内容を簡単に。

– そもそも、共通通貨を作ったのは通貨危機を回避するためであったが、通貨危機の代わりに、よりひどい金融危機を招くこととなった。
– その理由が、競争力が弱い国の経済が最大になるにつれて対外赤字が拡大し、雇用を維持するためには政府や民間は収入以上の支出が必要となった。
– 支出をファイナンスするためには外から借り入れる必要となるが、それはいつまでも続かない。
– その資金の貸し出しが銀行経由で行われるとアイルランドやスペインのように金融機関の問題となり、公的機関経由で貸し出されるとギリシャのように国費の問題となる。
– また、ヨーロッパの低い金利が国によってはそれ以上に低く感じられ、さらに世界の消費が低迷している中で金利も低かったため、よりその影響が大きかった。
– これが金融危機につながった。
– 今後大きな問題が、果たして共通通貨が生き延びられるかということである。
– しかし、European Council on Foreign RelationsのJose Ignacio Torreblancaの記事を読む限りは、その答えは、ノーである。
– ユーロを維持するかどうかは経済の問題ではなく政治的な問題である。
– 国がデフォルトすることは問題ではなく、問題はメンバー国にとってユーロを維持することによるベネフィットがあるかどうかである。

いずれにしましても、今後ヨーロッパがどのようになるか目が離せません。

そこでここ最近のPIIGSと呼ばれるポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャとスペインの国債の調子を見てみたいと思います。

ポルトガル


















アイルランド


















イタリア


















ギリシャ


















スペイン



















ご覧になって分かりますようにどこもかしこも叩かれています。特にキテるのがイタリアです。

イタリアはここ3年内に債券の償還で8000億ユーロが必要としているので、マーケットが示しているようにポルトガル、スペインとイタリアも危ないとすると、欧州中央銀行による国債買いだけが残された救済方法とする意見もあります。

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