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2011年3月1日火曜日

見直されはじめた日本

花粉の季節が到来しました。本当にどうにかしてほしいと思います。杉をなぜ植えたんだぁ!と叫びたくなります。そこで調べてみたら、戦後、建設用木材が必要だからということで大量に植えられた杉やヒノキらしいのです。これが日本ではなく、訴訟大国アメリカでしたら集団訴訟で国が訴えられているのではないかと思います、ほんと、エリン・ブロコビッチの世界です。不幸中の幸いなのか、いい思いをしているのは製薬会社で働く花粉症ではない人と花粉がない海外で働く人たちだけではないでしょうか。まったく。

グチはこれくらいにしておきます。

さて、ここ1週間、気になるニュースとしましては、石油やコモディティなどの価格上昇、表に出始めたデモを統制しようとする中国政府、もうすぐ終わりそうなカダフィ政権と、やはりニュージーランドの地震でしょうか。

ニュージーランド
まず、ニュージーランドで亡くなられた方々やその家族にはご冥福をお祈りしたいと思います。まだ発見されていない方も多くいますので1日でも早く見つかることを願っています。

リビア
続きましては、カダフィ政権がそろそろ終わろうとしています。ロッカビー上空で1988年にパンアメリカン航空103便の爆破・墜落を指導したとされるカダフィ大佐。これによってその後のリビアは経済制裁などによって国際的に孤立していましたが、2003年以降、核放棄や103便の爆破責任を認めて賠償を遺族に支払ったことで2006年にアメリカと国交が正常化しました。その後、西側諸国との関係が次第に正常化して、カダフィはアラブのヒーロー的に西側ではもてはやされていました。自国民を空爆するような男をヒーローともてはやした西側の責任はあっても、取られることはないでしょう。

そういう中で、ウォールストリートジャーナルには、そのカダフィ大佐の看護士兼愛人のGalyna Kolotnytska(何て読んだらいいのか検討もつかないので、そのまま)がリビアから脱出したとあります(写真下記)。このほかにも専属パイロットなども脱出したとのことで、沈んでいく船からどんどん逃げ出しているようで、政権の日数も限られていると伝えられています。















なぜ中東を中心にこのような事態になっているのか、その理由のひとつが物価と失業率の上昇とされています。最近このブログでは世界の物価上昇について記載していますが、なぜそうなっているのか、その理由としてあがられるのは、

1. サブプライム問題以降アメリカの金融機関に大量の不良債権が残る
2. これにより貸し渋りが起こり、景気が低迷
3. 金融機関にお金があればバランスシートが正常化するとのことで、量的緩和(QE2)で大量にドルが印刷
4. そうするとドルが安くなる
5. これに負けまいと世界各国でお金が印刷
6. その影響によって世界はじゃぶじゃぶにお金に浸される
7. 余ってお金は投機に走る
8. 石油やコモディティなどである
9. 需要が高まったことで、提供側は値段をつり上げるか、今は売らず、将来価格がもっと上昇してから売ろうとし
10. 石油やコモディティなどの供給が減る
11. ますます値段が上がる
12. 平均所得の低い国や地位の人はものが買えず、不平不満が積もる
13. チュニジア、エジプト、リビアのようになる

マネーサプライ
どれだけのお金が流通しているのか、増えたのか、下記のグラフをご覧頂くと一目瞭然だと思います。それぞれの国によって時間軸が異なりますが、左上のアメリカ、右上の中国、続いてヨーロッパ、日本、英国、インドのM2/M3のマネーサプライをグラフ化しています。



























マーク・ファーバー
Marc Faber Limitedの創業者・社長で投資アナリスト・投資アドバイザーのマーク・ファーバーが今の経済状況について下記YouTubeの中で説明しています。



要約しますと:
・ 我々は絶望的な状況にある
・ 今のブームは作り上げられたものであり、長期的に維持できるものではない
・ そのうち景気は悪くなり、お金をもっと印刷することになる
・ その結果インフレになり、景気が悪化することになり、いわゆるスタグフレーションである
・ このような状況になると国は戦争をすることになり、デリバティブやマーケットなどすべてがクラッシュする
・ コンピュータがクラッシュすると再起動が必要なように、世界も再起動が必要になる
・ このような危機的状況が訪れようとしている時、不動産、株、債券、現金、貴金属など何に投資をすればいいのか、それは分散することです
・ ここ100年のドイツを見ると国債を持っていた人たちは、第一次世界大戦、ハイパーインフレ、第二次世界大戦と3回紙くずになっている
・ 個人的には株の方がいい投資であると思う、それは株だと会社の一部を手に入れる訳で、債券で会社に金を貸すこと、特に国に金を貸すことよりは株の方がいいと思う

と、かなり悲願的な意見になっています。世界がこの先良いのか悪いのか、アメリカが良いのか悪いのか、株が良いのか悪いのか、債券が良いのか悪いのか、は私にはわかりませんが、ファーバーの話しやマネーサプライのグラフを見ていると、キャッシュが勝つとは思いにくいです。

さて、調子に乗っている間にたくさん書こうと思います。

見直され始めている日本?
続きましては日本についてです。フィナンシャルタイムズに「日本に投資すべき理由」と題した記事がありましたので、ご紹介したいと思います。ここ最近、アメリカ、オーストラリア、インドネシア、ブラジルなどの株が上昇している割に日本株はついて行っていないと言われていました。日本株以外が高くなってしまったため、割安株目当てに国外の投資家が日本株を買い始めていると言われ、先日東証からこれを裏付けるデータが発表されていました。

そういう中でフィナンシャルタイムズの記事には:
・ 中央銀行が金融の蛇口を開けてから世界中の資産の価格が上昇している
・ ただ、長期の投資家からすると割安株が少なくなって来ている状況である
・ 苦し紛れのあまり、ファンドマネージャーは長らくトレンドから外れている日本株に目を向け始めている
・ 彼らは無駄な努力をしているのであろうか?
・ 20年近くデフレが続くと思われている日本だが、実際に始まったのは1999年からである、しかもデフレになってからも経済成長は崩壊しなかったのである
・ OECDのキャプタあたりのGDP成長率を見ると、2008年までの10年の間、日本は若干アメリカに劣っているだけで、ここ5年で見ると若干アメリカを上回っていることがわかる
・ さらに理解されていないのが日本の人口問題である
・ 日本の人口が減少しているにもかかわらず、キャピタあたりの成長率は上昇しているということは生産性が高まったということになる
・ Smithers & Coのアンドリュー・スミザーズによると労働人口は1995年以来減少を続けているが、非労働人口対労働人口の依存率のピークは過ぎようとしているという
・ 先進国の多くはこのピークをこれから向かうことになっている
・ これまでの日本企業の悪いクセだった過度な資本投資、株式の希薄化、少ない資本収益率などが改善され、世界的に競争力のあるものにしようとする動きが見られる
・ 日本国内の成長率が乏しいと判断した企業は海外投資にシフトするなどして、変化し始めている、このいい例が新日本製鐵と住友金属工業の合併である
・ ピーター・タスカによると2000年以降Topix銘柄企業のEPSの平均が200%であるとしている
・ 企業の成長と利益が株主のリターンにどれだけ反映されるかがこれまでの日本の問題であった、CLSAがACGAとともに行った調査では、昨年度は日本がガバナンスにおいて最も改善したとされている
・ ただ、海外の資本はインカムではなく、キャピタルゲインを求めている
・ しかし、そのまま上手くいかない理由として、銀行の過小資本やパブリックセクターにおける借金である
・ 低成長とインフレがない環境の中で借金の山を返すのは相当難しいが、これらの借金のほとんどは日本国内の投資家が保有しているものなので、格付け機関が何を言おうと我々は気にすることはない
・ 1990年以降日本国債のイールドの上昇にベットした投資家の多くは大きな傷口を負ったことを忘れずに
・ 私は日本が魅力的に見える。

アカデミー賞ドキュメンタリー賞
最後に昨日アカデミー賞で「英国王のスピーチ」が作品賞をとりましたが、サブプライム問題を題材にしたドキュメンタリーでドキュメンタリー賞を受賞した「Inside Job」というのもなかなか面白そうでした。
監督のチャールズ・ファーガソン氏は受賞の際

"Forgive me, I must start by pointing out that three years after our horrific financial crisis caused by financial fraud, not a single financial executive has gone to jail, and that’s wrong."

「まず始めに指摘したいのが、金融詐欺によって引き起こされた金融危機から3年経つが金融機関の経営者誰一人として牢屋にいない、それは間違いである」

とスピーチしていました。

トレーラーがありましたので下記に添付します。申し訳ありません、英語のものしかなかったので、日本語を探してあればまた添付します!あと、日本で公開されるのか、その場合いつなのか確認します。ご存知の方がいらっしゃればご連絡ください!宜しくお願いします!

2011年2月21日月曜日

食料の価格と中国

更新がお久しぶりになってしまいまして申し訳ありません。

この間アメリカでピッツバーグ・スティラーズ対グリーンベイ・パッカーズとの間でスーパーボウルが行われ、結局グリーンベイが勝ちましたが、毎年話題なのがCMです。何てったって30秒のスポットで2億円、制作費を入れると4億円以上とされているので、いつも楽しみにしていますが、今年私が一番好きだったのがこちらです:



他のアドも観たい方はこちらをご覧ください:
http://www.time.com/time/specials/packages/completelist/0,29569,2046668,00.html

さて、前回のブログ記事の続きになるのですが、最近世界で大変なのがコモディティの価格上昇です。

下記は「ELEMENTS Rogers Intl Commodity Index - Agriculture Total Return ETN (Public, NYSE:RJA)」と言いまして、農業セクター全体の価格を示したもので、ニューヨークに上場しているインデックスです。


















おわかりになるかと思いますが、ここ8ヶ月ほどで価格が65%上昇しています。もし投資をしていたらかなりいいリターンを得ていたことになります(まだ上昇が続くかもしれませんが)。

でも、一日100円とか200円とかで生活している途上国の人々にしてみたらたまったものではありませんし、13億人を食べさせないといけない中国政府にしてもたまったものではありません。

中国国民としてみれば、今の政府で食べ物が食べられなければ国民はどうするか?

このような状況を引き起こしているがアメリカの大量のドルのばらまきで余ったお金が投機に流れ込んだのが一つの理由です。

ということは中国政府にしてみたら、アメリカにはばらまきを止めてもらいたい訳です。問題はどのようにして止めてもらうかです。

「お願いだから止めて」と言っても無理でしょう。アメリカだって選挙があるし、国民の生活、経済があるので、そう易々とは止められません、引けません。

お願いしてもダメなら、中国はどうするか?先が思いやられます。

2011年2月7日月曜日

QE2と中東問題の関係

皆様ブログの更新を1ヶ月以上も怠ってしまいまして申し訳ありませんでした。

以前からご覧頂いている方やツイッターでフォローいただいている方はご存知だと思いますが1月下旬に会社を設立致しました、その準備や営業などで少しバタバタしてしまいました(いい訳になりますが…)。

というわけで、会社は無事に設立されました。ホームページも2月下旬にはアップできるかと思いますので、アップしましたらまたご報告をさせて頂きます。ここ1〜2ヶ月は設立の準備とともに異業種交流会や会社を経営されている方のご紹介でいろいろな方とお会いしてビジネスチャンスやアイディアなどを発展する機会を多く作っていました。

そういう意味では、今まで会社員でいるときとは全く違う考え方や話し方をしている自分に気づきました。やはり人と人とのつながりが重要だと最近つくづく感じるようになりました。

さて、この1ヶ月間いろいろとニュースがありましたが、やはり一番気になったのがエジプトのプレ革命でしょうか。チュニジアから始まった改革(と思われる)運動はその後エジプトやヨルダンへと連鎖をして行きましたが、私は中東のベルリンの壁とでも言うべく、今回の一連の改革(と思われる)運動はベルリンの崩壊に近い感覚を覚えました。というのも当時はCNNが伝える情報にみながテレビに釘付けになっていたと思いますが、今はアルジャジーラの映像にみんなが釘付けです。そしてベルリンと同じように、今回のチュニジアやエジプトでは、西側諸国は全く事前に感知していなかったところや、今後どうなるのか誰も全くわからないところなどは、似ている気がしています。

IMFが2010年4月にエジプトに関するレポートを出しましたが、その内容は2010年2月に2週間以上かけて調査した結果をレポートしたものですが、全く持って的を外していることがわかります。

そもそもなぜ中東でこのようなことになってしまったのか?私は今回の中東の問題はアメリカの量的緩和(QE2)によって引き起こされていると思っています。以前このブログでも(アイルランド支援とアメリカの量的緩和に対抗する中国の量的規制)何度かお伝えしましたが、FRBは中国人民元へプレッシャーをかけるためにも量的緩和を行い、中国政府に人民元を切り上げるか、価値のないドルをひたすら買うか、を選択させるために行ったとお伝えしました。その副作用がチュニジアやエジプトだと思われます。

というのも、QE2によって世界はドルでじゃぶじゃぶに浸されたことで余った金が投機に走り始めました。ドル建てで取引されているコモディティの価格や先物に投機ドルが集まったことで価格が上昇し、その結果インフレになってしまい、途上国を中心に物価が上昇してしまっています。アメリカは製品を作って輸出できなくなったので、その代わりにインフレを輸出しているのです。先月、1月の1ヶ月の間に小麦が6%、砂糖が6%、コーンが8%、米が10%、コットンが17%も上昇しています。このためFTには物価上昇の専用ページまで立ち上がっています。

なので、アメリカや日本の株価が上昇していますが、これは決して景気が回復したら上昇しているのではなく、QE2によって印刷された余ったお金が流れているからと考えた方がいいと思います。

ということで、ブルームバーグには「中国住宅、日本やアメリカのバブル期と同レベルになる」と題した記事がありました。

この中でCitigroupの調査として、2010年における中国のGDPの内6.1%が住宅投資によって作られたものであるとし、これは2005年のアメリカと同レベル、さらに2%で1970年代の日本に並ぶとしています。

アメリカのQE2インフレは次にどこに輸出されるか注目されます。

2011年1月7日金曜日

2011年も宜しくお願い致します

あけましておめでとうございます、今年も宜しくお願い致します。
しばらくの間ブログの更新を怠っていました、申し訳ありませんでした。

皆様年末年始はいかが過ごされましたか?私は妻の実家がある神戸に2週間ほど行っておりました。神戸に行って感じたことが二つほどありました、一つは、神戸は東京より大分寒いと言うこと、凍える寒さでした。なんで南にある神戸が北の東京より寒いのだろうと不思議です。まぁ、気象予報士に聴けば潮や大気の流れだの何だのと全うな答えがあるのだと思います、でも不思議。

二つは、神戸の経済も冷えきっているということでしょうか。けっして神戸だけの話しではなく、地方の多くの都市がそうだと思います。もちろん、セクターによっても浮き沈みがあると思いますが、親戚の方などと話しをしていると「景気えーなぁ」という話しは一度も聴きませんでした。逆に「民主党になってろくなことになっていない、お先真っ暗」的な話しが多かったと思います。

2011年がどうなるのか?菅直人の先日の記者会見での今年の抱負を聴いているとあまり期待を持てないと思ったのは私だけでしょうか?

経済に関して主な内容としては、TPPへの加入、消費税増税、政府への信頼感を取り戻すこと、とのことでした。しかし、TPPに加入することで農業などの競争力が高まるかもしれませんが、農業や漁業や林業が日本のGDPで占める割合はわずかなので、経済に与える影響も少ないと思われます。でも、良いことだと思いますので、是非実行してほしいです。

消費税の増税に関しては、将来の国の財政に対する不安が軽減されるかもしれませんが、消費が低迷する可能性が高いので、相殺されることになります。そもそもデフレが続く日本で、全体のパイが小さくなっている中で企業はベルトを締めたり海外に進出したりする中で、国は歳出カットをしないのはどういうこと?と考えてしまいます。税収入が減ったからと言って、じゃー増税だー、というのはお門違いであり、その前にやることがあるだろう、と思います。

民主党になってから1年足らず、彼らの(無)政策が日本経済に大きな影響を与えたとは思いませんので、民主党政策が今の経済状況の原因だと考えておりません。しかし、民主党になってから「お先真っ暗」感が深まったのは確かだと思います。それは活気だったり、元気だったり、期待感だったり、前向き感だったりが無くなった、少なくとも減ったと思います。

今の日本経済に必要なのは景気刺激策や経済対策などではなく、将来への希望や期待が持てる「空気」が日本に流れることのように思います。そうなることで若い人の間でやる気が生まれ、新しい方向に向かうのだと思います。

そのためには「政治家や国が何もかもすべてを良くしてくれる」と言ったような甘えた期待を国民が持ってはダメで、自己責任をもっと強く持つ必要があるのではないかと思います。

というわけで、フィナンシャルタイムスには「税金男:菅」、もう一つ、「菅、元気を取り戻すレシピなんて分かっていない」やウォールストリートジャーナルには「東京の財政における償いの時」と言ったような年始早々今年が思いやられるような記事が海外のメディアでは見られました。

ます、「税金男:菅」ですが、内容としましては、
– 税制のい直しは長く言われてきたが、政治家が増税と言った次の選挙では必ず負けているのだから、それでも増税と言った菅直人は賞賛する必要がある。
– 日本の財政を健全にするためには増税は不可欠である。
– これだけ借金があるにもかかわらずクレジットレーティングがいまだに高い日本であるが、今後日本が高齢化していくにつれて国はより多くの国債を発行する必要になるだろうが、その国債を今買っている人が高齢になって買わなくなり、調達が難しくなるであろう。
– このことを政治家は分かっているから、職業上の危険が及ぼうが定期的に増税を訴えるのである。
– 特別利益団体の利害を省き、消費税増税の反対する大きな理由が1997年に5%に増税した後に起きた不景気が悪い思い出としてあるからである。
– もし菅直人が国の将来を考えるべきであるとして、党内を取りまとめ、野党を説得して増税ができれば国民の政治家に対する不信感を減らすことができるかもしれない。
– 増税することでお金を貯金するより使う人が増えることは日本がいま必要なことである。

フィナンシャルタイムスのもう一つの記事、「菅、元気を取り戻すレシピなんて分かっていない」はあまり目新しい話しはなかったので詳細は省きますが、最後に書いてあった一言、「菅直人が日本を元気に戻したいというならば、はじめに本人が元気を取り戻す必要がある」に、ふむふむと納得しておりました。

続きましてウォールストリートジャーナルの「東京の財政における償いの時」という記事の内容です、

– 日本の政治は大変な状況である。
– 20%という低支持率の民主党政権。菅直人は同じ党の小沢一郎を追い出そうとしているが、それによって支持率は高まるかもしれないが、離党によって過半数を割るかもしれない。
– そして、今年の政策について記者会見し、消費増税という不人気な政策を発表したが、増税によって間違いなく経済を悪化させるであろう。
– もうしばらくしたら新たな総理が誕生するであろう。それが誰であっても、日本が最悪な結末を迎える前に、今日本が抱える問題を解決する必要がある。
– 支出を減らして減税をしない限り、日本はギリシャのようになるであろう。
– 菅直人が発表した今年の予算はまたしても史上最大規模の国債の発行によって、GDPの200%の借金に新たに上乗せされることになる。
– 8760億米ドル(約100兆円)の支出の内、5420億米ドルは国債発行、対して国の収入はたったの5010億米ドルである。
– 高齢化していくにつれ、年金と医療保険における過去の政治家の政策が今の日本を沈没しかけている。
– バブルが弾けて20年あまり、社会的な損失をどこにあてがうかという議論になると日本の政治機能は停止してしまうのである。
– それは、今のアメリカのように劇的なリストラ(斉藤:日本の場合リストラは企業の人員削減という意味合いが強いが、英語の場合は社会形成を含めて形を変える意味合いがあります)を断行するより、90年代の日本の場合、日本政府は銀行に不良債権を保有するよう指示していた。
– それによって日本は安定しているかのように見えるが、創造的破壊がない限り経済は成長しないのである。
– 来年の利息の支払いに2630億米ドル必要だと試算されているが、それは10年国債が2%の金利の場合である。
– 今のところ金利は2%の水準を保つと思われるが、最近のオークションで投資家の国債に対する欲が減ってきている傾向が見える。
– そしてまた、来年には国の借金が国民の預貯金を上回ると試算されている。もし国内で国債を吸収できない状況となると海外の投資家に目を向けないといけなくなるが、その場合はこのような金利で調達は難しいであろう。
– そのようなことになれば日本の予算は派手に吹っ飛ぶことになる。国と地方を合わせて約11兆米ドル(約900兆円)の借金があるとされているが、金利が1%上昇しただけで1100億米ドル支出が増えることになる。
– ということは日本が増税しようが支出を減らそうが、借金は増えていく一方となる。これは見落としがちな「続くことができないものは続かない」というハワード・スタインhttp://en.wikipedia.org/wiki/Herbert_Stein の法則に日本は突き当たるのである。遅かれ早かれ何らかの形で日本は危機を向かえることになる。
– 菅直人もしくはその後継者が他の政治家を納得させ、高齢者の怒りを押し切って社会保障の支出を減らさない限り、将来途方もない増税という形でより大きな損害を国民全体で受けることになるであろう。
– そうなれば、菅直人が言う消費税増税なんてタイタニックの上でカードをシャッフルしているような無意味さを持つことになる。

2010年12月15日水曜日

2011年の予想(その2:ジョセフ・スティグリッツ)

コロンビア大学教授でノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツが2011年の経済について予想した投稿した記事がありましたので、前回に引き続き来年の予想をご紹介したいと思います。

— 世界経済は年初めより、深く分裂して終わろうとしている。インド、中国や東南アジアの途上国は力強く成長しているが、方やヨーロッパやアメリカはスタグフレーション、日本型の停滞と高い失業率が続いている。

— 先進国が直面している問題は雇用なき景気回復ではなく、沈滞した回復である。もしくはそれよりもひどい二番底の景気後退の可能性である。

— アジアの経済は世界経済を引っ張り上げるには小さすぎるが、コモディティの値段をつり上げるには十分な規模があるという、珍しい問題・リスクが生まれようとしている。

— アメリカでは量的緩和をすることで経済を活性化しようとしているが、これは裏目に出る可能性がある。それは、グローバル化された金融市場においてお金というものは最もリターンが見込めるところに流れるが、その場合、それはアメリカではなくアジアになるはずである。そうなると、お金は必要とするところには届かず、必要でないところにたどり着き、それによって、資産やコモディティにお金が流れ、価格をつり上げることになる。特に途上国でそうなる可能性がある。

— 高いレベルの余剰能力があるヨーロッパやアメリカにおいて、量的緩和はインフレを引き起こす可能性は低いと思われる。しかしながら、将来のインフレに対する懸念が長期国債の金利をつり上げる可能性があり、それはFRBが本来やろうとしていることの正反対の結果につながる。

— しかし、これだけが現在の世界経済が抱えている最も重要な問題ではない。世界各国、特にヨーロッパでは緊縮予算の傾向が広がっており、各国の債務返済の見通しが悪いことでマーケットが不安定となっていることが、今世界が直面している最も大きな問題である。

— 時期尚早な財政健全化がもたらす結果は目に見えている:成長が減速し、税収入が途絶え、財政赤字削減は失敗に終わる。

— 記録的に低い金利でお金を借りられるアメリカが現在しないといけないことは、今まで怠ってきた公共投資である。大規模な公共投資をすることで短期的な雇用を生みつつ長期的な成長をもたらし、さらには将来、国の負債の削減につながることになる。しかしながら、先見性のない金融市場は支出削減の圧力をかけている。

— さらに、ほかの経済問題も政治の行き詰まりから何も解決しないことも見えている。例えば、住宅の差し押さえ問題、中小企業の資金不足、従来これら企業に融資してきた中小銀行の倒産など。

— 反対にヨーロッパはと言うと、今より良くなることはないであろう。

— やっとの思いでギリシャとアイルランドを救出したヨーロッパであるが、ヨーロッパの自由市場経済はアメリカと同様にワークしないことが示された。

— アイルランドを見ればわかるように、土地バブルが弾けるとそのあとには大きな負債と過剰なキャパシティが残り、並大抵の努力では減らないのである、特に政治的に強いコネクションを持つ銀行が抵抗した場合にはなおさらである。

— 2011年の経済を予想するのはそれほど面白いものではない。答えは「暗い」で済むからである。アップサイドは少なく、ダウンサイドは大きいであろう。

— それより重要な質問は、ヨーロッパとアメリカが回復するにはどれだけ時間が必要なのか?そのマーケットが回復しないまま、アジアはどこまで成長を続けられるのか?である。

— 私は国内マーケットにフォーカスすることで成長は続くと予想する。そのためには中国もインドも経済の形を大きく変える必要があると思うが、可能であると考える。

— しかし、ヨーロッパとアメリカについては悲願的である。

— 今の問題を解決するには過剰にある能力を必要とするところにシフトすれば良いのである。例えば、環境問題の解決に向けて経済をシフトすれば良いのである。しかし、そのためには政治的な問題がある。

— アメリカの場合、共和党は経済を回復させるより、オバマが失敗することを望んでいる。

— ヨーロッパの場合27の国々がそれぞれの方向に向かって進もうとしている。そう考えるとアイルランドとギリシャを救出できたことは奇跡である。

— アメリカとヨーロッパでは、自由市場によってバブルが自由に成長できて、それが現在の問題を生むこととなったのである。これにより、自由市場の考えが衰退するかと思えば、その自由市場が緊縮予算を求めていることで政府や経済をドツボに嵌めようしているのである。

— もし政治が問題であるならば、政治が変わらなければ問題が解決しないことになる。それとも、過剰なキャパシティが自然と無くなるまで待つか、それとも経済に組み込まれている回復作用が時間をかけて直すかである。いずれにしても勝利はすぐそこにはない。

2011年は暗いようです、スティグリッツによると。
しかし、これを読みますと、過剰なキャパシティ、経済のシフト、緊縮予算、不良債権、政治の問題などなど、昔と今の日本に当てはまることがたくさんあるように思います。人間は人種に関わらず考えること・やることは変わらないのでしょうか?

2010年12月14日火曜日

2011年の予想

経済学には供給側を強くすることで経済を強くしようとするサプライサイドエコノミクスと消費側を強くすることで経済を強くしようとするデマンドサイドエコノミクス、という2つの考えがあります。政治では日本の自民党とアメリカの共和党がサプライサイド、反対に日米共に民主党はデマンドサイドを経済政策の基礎として考えています。というか、少なくとも日本の民主党の場合は、「これまではそうだった」というべきでしょうか。

今夜、菅直人総理が財源の見通しもなく、法人税を5%削減すると発表しました。これから会社を立ち上げようとしている私としては(儲かって、利益を上げて、税金を払えばではありますが)ありがたいお話しです。ただ政治理念としては残念な話しです。私は民主党にこれまで一度として選挙で投票はしたことありませんが、その政党を支持しようがしまいが、政治には理念がないといけないと思います。

民主党に投票した人の中には、民主党は所得税などを減税してくれて、それにより所得が増え、消費を高めて景気を良くする、デマンドサイドを強化してくれることを期待して投票した人は多いのではないかと思います。そういった人たちは完全に裏切られたと思います。

民主党が政策や理念をシフトするのは珍しくも驚きでもないのですが(政治家全般として言えることですが)、なぜ今回法人税おいて政策や理念を変えて・捨ててしまったのか、官僚に言われたからやったのでしょうか?(民主党の大臣が官僚のメモを読み上げる映像がテレビで出まくっているので、そうとしか思えないのですが)日本を大きく変えるには日本もアメリカのように政権が変わると官僚総入れ替え、せめて官僚の人事を政治が主導権を持たないと、なかなか変われないのではないかと思ってしまった今日の法人税ニュースでした。

さて、本題ですが、元メリルリンチ北米チーフエコノミストで現在Gluskin Sheffのチーフエコノミストのデービッド・ローゼンバーグが2011年のテーマについてレポートを出していましたので、こちらをご紹介したいと思います

ローゼンバーグはベア(熊)、現在の経済に対して悲願視しているグループに属しますが、アメリカの住宅ローン問題や金融株下落などかなり前から現在の不況は大恐慌に似ていると言い、私も含めて、彼のニュースレターを読んでいる人は多いです。

1. S&Pが1,350そしてGDP成長率4%が2011年の予想・コンセンサスである。ブルームバーグで調査されたストラジストのうち誰一人として株式に対してベアがいなかった。これは2009年3月や2010年7月と全く反対に安心感が広がっている。このため、2011年の前半はポジティブではないと考えている。
また、株はいい決算のニュースと経済成長への期待から、高い側のレンジで値付けられており、バリュエーションでは高くないが、気持ち・期待感は高くなっている。我々は今後良い買い機会がくると考えているが、特別なシチュエーションにある会社を買うべきであると考えている。そのシチュエーションとは配当の成長、割安株、強いバランスシート、北米の成長有無にかかわらず強い企業など。
2. 私は、アメリカのGDP成長率が今年の3%前後から、来年は2%前後もしくはそれ以下に下がると考えている。これは二番底ではなく、成長が遅くなると考えている。カナダ銀行が示したように、来年は世界経済の成長が低調になり、世界の循環に対して注意が必要だと思われる。
3. ヨーロッパの財政や信用格付けの問題は続く。また、アメリカの州や地方政府の財政問題も続くであろう。さらに、中国の引き締め政策も不安材料である。このようなことからボラティリティが高くなると思われる。
4. ドルは強まると思われる、特に対円とユーロに対してである。
5. エマージングマーケッツはインフレ圧力に対して中央銀行が引き締めに走ると思われることから苦しむことになると思われる。中国の株価を見ると、トップが形成されたと思われる。
6. 2011年のアメリカ財政に必要な借り入れは2010年と変わらない。このため、一般的に思われている財政問題が長期国債に与える影響は誤りである。今のイールド・カーブは急すぎるため、債券利回りを筆頭にいずれ平らになると思われる。最近の長期金利の上昇は2009年12月とそっくりであり、それが2010年の債券のポジティブなリターンを生むこととなった。
7. 最近のコモディティの価格高騰にも関わらず、依然デフレがアメリカの中短期の問題となると思われる。また、FRBの努力も虚しく、貨幣流通速度は低調のままである。依然労働市場には余剰能力がある。
8. 社債は以前ほど安くはないが、社債の中では金融とユーティリティ(公益設備)のセクターがいいと思われる。期間で言うとカーブの5〜7年、レーティングで言うとBBB〜BB。
9. マクロで最も問題・リスクになると思われるのがアメリカの住宅価格である。あまり注目はさせていないが、最近その価格が下落し始めている。
10. 我々の買いリストには成長乏しいと思われているセクターの株である、例えば、ユーティリティ、パイプライン、石油収入、製薬、食品、スーパーマーケット。

2010年12月9日木曜日

中国:史上最強の国、それとも史上最強のバブル?

HSBCから200ページ以上の途方もない中国に関するレポートが出されていましたので後ほど簡単に紹介しますが、ページ数もさることながら、これを読むと中国という国が途方もないということを感じがします。その反対に中国の高官さえ国が発表するデータが当てにならないと言っていたことがウィキリークスで明らかになっています。

まず、その高官のお話し。ロイターTelegraph紙に「ウィキリークス:中国高官、中国が発表するGDPを信用していない」と題した記事がありました。その高官とは現在の第一副首相で、時期首相最有力候補と言われている李克強。その李克強がまだ遼寧省の委員会書記だった頃の2007年にアメリカのクラーク・ラント駐中米国大使と会食した際の記録だそうです。

「李氏は遼寧省の経済評価の際、電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3つのデータだけに注目すると発言。公電は、「李氏は、これら3つの数字を見るだけで、経済成長の速さの相対精度を測ることができる、と述べた。他のすべての数字、とくにGDP統計は『参考用にすぎない』と李氏は笑顔で語った」と、ロイターでは伝えています。

これって、なんだか昔から怪しいと言われている会社の次期社長候補の副社長が部長時代に「うちの経理って適当に色づけしながら決算書を作っているんだよね」って言っているような話で、そんな会社に投資をしますか?株を買いますか?ということになりますよね。とは言っても、粉飾しようが脱税をしようが、バレないで成長してROIが高ければ結構という人もいますので、そこはリスクベネフィットを考えながら、賢く行きましょう!

その反対にこのレポートを読むと考えが変わってしまいます。200ページにも及ぶHSBCのレポートですが、市省の経済や実情が詳細に分かります。ここでは31の省の強みと課題が書かれており、今後5年を予想しています。また、この中で面白かったのが、各省の2000年と2009年と2020年のGDPを世界の国に当てはめた場合どこになるかとう言う地図。各省を国に例えてグラフ化しているこのレポート読むと、中国は今後永遠に成長をし、最終的には世界征服するのではないかという風に思ってしまいます。

それによると:
• 中央政府の戦略に乗っ取って経済活動が進んでいると思われているが、実際には地方政府や地方の高官に力が移住していて、彼らに大きな力と権限が与えられている。
• 中国の6つの州それそれのGDPが2020年までに1兆ドルを超えるとし、それはロシアを6倍にした規模となる。
• 中国の人口の47%は都会に住み、8つの都市は1000万人を超え、93都市が500万人を超えている。反対に500万を超える都市はアメリカにはニューヨークしかない。
• ワシントンDCのような北京は、シリコンバレーでもある。北京の中関村では23のハイテク企業が2009年にIPOしたが、シリコンバレーでは1社だけであった。2010年には35社がIPOをしている。
• 崑山市では世界のノートPCの半分にあたる、年間8500万台を生産しているが、IT関連製品は同市の製造品の上位に入っていない。
• 蘇州市の一人当たりのGDPは北京より70%、上海より46%高い。
• 人口1500万人のオルドス市のGDPは3年後には香港を抜くとされている。
• あと5年は現在のような成長が続くと思われる。
• 鉄道やクリーンエネルギーなどの分野の省レベルでの成長が国の目標値を超えている。それは、各省同士が競争をして予算を奪い合っているため。
• ただ、過剰生産能力に陥る危険性がある。崑山市と重慶市を合わせると世界のノートPCの80%を供給できる能力を持つことになる。
• また、過剰生産能力に陥ると不良債権が増える可能性が高まる。
• さらに、不動産価格の高騰のように、中央政府が価格を抑える手を打っても、地方の利権が勝って効果が無くなっている。
• このレポート書いて分かったことは、北京を押さえるだけでビジネスができるようにならない。ビジネスをするためには地方の役人も味方に付けないといけない。
A Guide to China's Regions, Provinces and Cities