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2011年1月7日金曜日

2011年も宜しくお願い致します

あけましておめでとうございます、今年も宜しくお願い致します。
しばらくの間ブログの更新を怠っていました、申し訳ありませんでした。

皆様年末年始はいかが過ごされましたか?私は妻の実家がある神戸に2週間ほど行っておりました。神戸に行って感じたことが二つほどありました、一つは、神戸は東京より大分寒いと言うこと、凍える寒さでした。なんで南にある神戸が北の東京より寒いのだろうと不思議です。まぁ、気象予報士に聴けば潮や大気の流れだの何だのと全うな答えがあるのだと思います、でも不思議。

二つは、神戸の経済も冷えきっているということでしょうか。けっして神戸だけの話しではなく、地方の多くの都市がそうだと思います。もちろん、セクターによっても浮き沈みがあると思いますが、親戚の方などと話しをしていると「景気えーなぁ」という話しは一度も聴きませんでした。逆に「民主党になってろくなことになっていない、お先真っ暗」的な話しが多かったと思います。

2011年がどうなるのか?菅直人の先日の記者会見での今年の抱負を聴いているとあまり期待を持てないと思ったのは私だけでしょうか?

経済に関して主な内容としては、TPPへの加入、消費税増税、政府への信頼感を取り戻すこと、とのことでした。しかし、TPPに加入することで農業などの競争力が高まるかもしれませんが、農業や漁業や林業が日本のGDPで占める割合はわずかなので、経済に与える影響も少ないと思われます。でも、良いことだと思いますので、是非実行してほしいです。

消費税の増税に関しては、将来の国の財政に対する不安が軽減されるかもしれませんが、消費が低迷する可能性が高いので、相殺されることになります。そもそもデフレが続く日本で、全体のパイが小さくなっている中で企業はベルトを締めたり海外に進出したりする中で、国は歳出カットをしないのはどういうこと?と考えてしまいます。税収入が減ったからと言って、じゃー増税だー、というのはお門違いであり、その前にやることがあるだろう、と思います。

民主党になってから1年足らず、彼らの(無)政策が日本経済に大きな影響を与えたとは思いませんので、民主党政策が今の経済状況の原因だと考えておりません。しかし、民主党になってから「お先真っ暗」感が深まったのは確かだと思います。それは活気だったり、元気だったり、期待感だったり、前向き感だったりが無くなった、少なくとも減ったと思います。

今の日本経済に必要なのは景気刺激策や経済対策などではなく、将来への希望や期待が持てる「空気」が日本に流れることのように思います。そうなることで若い人の間でやる気が生まれ、新しい方向に向かうのだと思います。

そのためには「政治家や国が何もかもすべてを良くしてくれる」と言ったような甘えた期待を国民が持ってはダメで、自己責任をもっと強く持つ必要があるのではないかと思います。

というわけで、フィナンシャルタイムスには「税金男:菅」、もう一つ、「菅、元気を取り戻すレシピなんて分かっていない」やウォールストリートジャーナルには「東京の財政における償いの時」と言ったような年始早々今年が思いやられるような記事が海外のメディアでは見られました。

ます、「税金男:菅」ですが、内容としましては、
– 税制のい直しは長く言われてきたが、政治家が増税と言った次の選挙では必ず負けているのだから、それでも増税と言った菅直人は賞賛する必要がある。
– 日本の財政を健全にするためには増税は不可欠である。
– これだけ借金があるにもかかわらずクレジットレーティングがいまだに高い日本であるが、今後日本が高齢化していくにつれて国はより多くの国債を発行する必要になるだろうが、その国債を今買っている人が高齢になって買わなくなり、調達が難しくなるであろう。
– このことを政治家は分かっているから、職業上の危険が及ぼうが定期的に増税を訴えるのである。
– 特別利益団体の利害を省き、消費税増税の反対する大きな理由が1997年に5%に増税した後に起きた不景気が悪い思い出としてあるからである。
– もし菅直人が国の将来を考えるべきであるとして、党内を取りまとめ、野党を説得して増税ができれば国民の政治家に対する不信感を減らすことができるかもしれない。
– 増税することでお金を貯金するより使う人が増えることは日本がいま必要なことである。

フィナンシャルタイムスのもう一つの記事、「菅、元気を取り戻すレシピなんて分かっていない」はあまり目新しい話しはなかったので詳細は省きますが、最後に書いてあった一言、「菅直人が日本を元気に戻したいというならば、はじめに本人が元気を取り戻す必要がある」に、ふむふむと納得しておりました。

続きましてウォールストリートジャーナルの「東京の財政における償いの時」という記事の内容です、

– 日本の政治は大変な状況である。
– 20%という低支持率の民主党政権。菅直人は同じ党の小沢一郎を追い出そうとしているが、それによって支持率は高まるかもしれないが、離党によって過半数を割るかもしれない。
– そして、今年の政策について記者会見し、消費増税という不人気な政策を発表したが、増税によって間違いなく経済を悪化させるであろう。
– もうしばらくしたら新たな総理が誕生するであろう。それが誰であっても、日本が最悪な結末を迎える前に、今日本が抱える問題を解決する必要がある。
– 支出を減らして減税をしない限り、日本はギリシャのようになるであろう。
– 菅直人が発表した今年の予算はまたしても史上最大規模の国債の発行によって、GDPの200%の借金に新たに上乗せされることになる。
– 8760億米ドル(約100兆円)の支出の内、5420億米ドルは国債発行、対して国の収入はたったの5010億米ドルである。
– 高齢化していくにつれ、年金と医療保険における過去の政治家の政策が今の日本を沈没しかけている。
– バブルが弾けて20年あまり、社会的な損失をどこにあてがうかという議論になると日本の政治機能は停止してしまうのである。
– それは、今のアメリカのように劇的なリストラ(斉藤:日本の場合リストラは企業の人員削減という意味合いが強いが、英語の場合は社会形成を含めて形を変える意味合いがあります)を断行するより、90年代の日本の場合、日本政府は銀行に不良債権を保有するよう指示していた。
– それによって日本は安定しているかのように見えるが、創造的破壊がない限り経済は成長しないのである。
– 来年の利息の支払いに2630億米ドル必要だと試算されているが、それは10年国債が2%の金利の場合である。
– 今のところ金利は2%の水準を保つと思われるが、最近のオークションで投資家の国債に対する欲が減ってきている傾向が見える。
– そしてまた、来年には国の借金が国民の預貯金を上回ると試算されている。もし国内で国債を吸収できない状況となると海外の投資家に目を向けないといけなくなるが、その場合はこのような金利で調達は難しいであろう。
– そのようなことになれば日本の予算は派手に吹っ飛ぶことになる。国と地方を合わせて約11兆米ドル(約900兆円)の借金があるとされているが、金利が1%上昇しただけで1100億米ドル支出が増えることになる。
– ということは日本が増税しようが支出を減らそうが、借金は増えていく一方となる。これは見落としがちな「続くことができないものは続かない」というハワード・スタインhttp://en.wikipedia.org/wiki/Herbert_Stein の法則に日本は突き当たるのである。遅かれ早かれ何らかの形で日本は危機を向かえることになる。
– 菅直人もしくはその後継者が他の政治家を納得させ、高齢者の怒りを押し切って社会保障の支出を減らさない限り、将来途方もない増税という形でより大きな損害を国民全体で受けることになるであろう。
– そうなれば、菅直人が言う消費税増税なんてタイタニックの上でカードをシャッフルしているような無意味さを持つことになる。

2010年12月15日水曜日

2011年の予想(その2:ジョセフ・スティグリッツ)

コロンビア大学教授でノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツが2011年の経済について予想した投稿した記事がありましたので、前回に引き続き来年の予想をご紹介したいと思います。

— 世界経済は年初めより、深く分裂して終わろうとしている。インド、中国や東南アジアの途上国は力強く成長しているが、方やヨーロッパやアメリカはスタグフレーション、日本型の停滞と高い失業率が続いている。

— 先進国が直面している問題は雇用なき景気回復ではなく、沈滞した回復である。もしくはそれよりもひどい二番底の景気後退の可能性である。

— アジアの経済は世界経済を引っ張り上げるには小さすぎるが、コモディティの値段をつり上げるには十分な規模があるという、珍しい問題・リスクが生まれようとしている。

— アメリカでは量的緩和をすることで経済を活性化しようとしているが、これは裏目に出る可能性がある。それは、グローバル化された金融市場においてお金というものは最もリターンが見込めるところに流れるが、その場合、それはアメリカではなくアジアになるはずである。そうなると、お金は必要とするところには届かず、必要でないところにたどり着き、それによって、資産やコモディティにお金が流れ、価格をつり上げることになる。特に途上国でそうなる可能性がある。

— 高いレベルの余剰能力があるヨーロッパやアメリカにおいて、量的緩和はインフレを引き起こす可能性は低いと思われる。しかしながら、将来のインフレに対する懸念が長期国債の金利をつり上げる可能性があり、それはFRBが本来やろうとしていることの正反対の結果につながる。

— しかし、これだけが現在の世界経済が抱えている最も重要な問題ではない。世界各国、特にヨーロッパでは緊縮予算の傾向が広がっており、各国の債務返済の見通しが悪いことでマーケットが不安定となっていることが、今世界が直面している最も大きな問題である。

— 時期尚早な財政健全化がもたらす結果は目に見えている:成長が減速し、税収入が途絶え、財政赤字削減は失敗に終わる。

— 記録的に低い金利でお金を借りられるアメリカが現在しないといけないことは、今まで怠ってきた公共投資である。大規模な公共投資をすることで短期的な雇用を生みつつ長期的な成長をもたらし、さらには将来、国の負債の削減につながることになる。しかしながら、先見性のない金融市場は支出削減の圧力をかけている。

— さらに、ほかの経済問題も政治の行き詰まりから何も解決しないことも見えている。例えば、住宅の差し押さえ問題、中小企業の資金不足、従来これら企業に融資してきた中小銀行の倒産など。

— 反対にヨーロッパはと言うと、今より良くなることはないであろう。

— やっとの思いでギリシャとアイルランドを救出したヨーロッパであるが、ヨーロッパの自由市場経済はアメリカと同様にワークしないことが示された。

— アイルランドを見ればわかるように、土地バブルが弾けるとそのあとには大きな負債と過剰なキャパシティが残り、並大抵の努力では減らないのである、特に政治的に強いコネクションを持つ銀行が抵抗した場合にはなおさらである。

— 2011年の経済を予想するのはそれほど面白いものではない。答えは「暗い」で済むからである。アップサイドは少なく、ダウンサイドは大きいであろう。

— それより重要な質問は、ヨーロッパとアメリカが回復するにはどれだけ時間が必要なのか?そのマーケットが回復しないまま、アジアはどこまで成長を続けられるのか?である。

— 私は国内マーケットにフォーカスすることで成長は続くと予想する。そのためには中国もインドも経済の形を大きく変える必要があると思うが、可能であると考える。

— しかし、ヨーロッパとアメリカについては悲願的である。

— 今の問題を解決するには過剰にある能力を必要とするところにシフトすれば良いのである。例えば、環境問題の解決に向けて経済をシフトすれば良いのである。しかし、そのためには政治的な問題がある。

— アメリカの場合、共和党は経済を回復させるより、オバマが失敗することを望んでいる。

— ヨーロッパの場合27の国々がそれぞれの方向に向かって進もうとしている。そう考えるとアイルランドとギリシャを救出できたことは奇跡である。

— アメリカとヨーロッパでは、自由市場によってバブルが自由に成長できて、それが現在の問題を生むこととなったのである。これにより、自由市場の考えが衰退するかと思えば、その自由市場が緊縮予算を求めていることで政府や経済をドツボに嵌めようしているのである。

— もし政治が問題であるならば、政治が変わらなければ問題が解決しないことになる。それとも、過剰なキャパシティが自然と無くなるまで待つか、それとも経済に組み込まれている回復作用が時間をかけて直すかである。いずれにしても勝利はすぐそこにはない。

2011年は暗いようです、スティグリッツによると。
しかし、これを読みますと、過剰なキャパシティ、経済のシフト、緊縮予算、不良債権、政治の問題などなど、昔と今の日本に当てはまることがたくさんあるように思います。人間は人種に関わらず考えること・やることは変わらないのでしょうか?

2010年12月14日火曜日

2011年の予想

経済学には供給側を強くすることで経済を強くしようとするサプライサイドエコノミクスと消費側を強くすることで経済を強くしようとするデマンドサイドエコノミクス、という2つの考えがあります。政治では日本の自民党とアメリカの共和党がサプライサイド、反対に日米共に民主党はデマンドサイドを経済政策の基礎として考えています。というか、少なくとも日本の民主党の場合は、「これまではそうだった」というべきでしょうか。

今夜、菅直人総理が財源の見通しもなく、法人税を5%削減すると発表しました。これから会社を立ち上げようとしている私としては(儲かって、利益を上げて、税金を払えばではありますが)ありがたいお話しです。ただ政治理念としては残念な話しです。私は民主党にこれまで一度として選挙で投票はしたことありませんが、その政党を支持しようがしまいが、政治には理念がないといけないと思います。

民主党に投票した人の中には、民主党は所得税などを減税してくれて、それにより所得が増え、消費を高めて景気を良くする、デマンドサイドを強化してくれることを期待して投票した人は多いのではないかと思います。そういった人たちは完全に裏切られたと思います。

民主党が政策や理念をシフトするのは珍しくも驚きでもないのですが(政治家全般として言えることですが)、なぜ今回法人税おいて政策や理念を変えて・捨ててしまったのか、官僚に言われたからやったのでしょうか?(民主党の大臣が官僚のメモを読み上げる映像がテレビで出まくっているので、そうとしか思えないのですが)日本を大きく変えるには日本もアメリカのように政権が変わると官僚総入れ替え、せめて官僚の人事を政治が主導権を持たないと、なかなか変われないのではないかと思ってしまった今日の法人税ニュースでした。

さて、本題ですが、元メリルリンチ北米チーフエコノミストで現在Gluskin Sheffのチーフエコノミストのデービッド・ローゼンバーグが2011年のテーマについてレポートを出していましたので、こちらをご紹介したいと思います

ローゼンバーグはベア(熊)、現在の経済に対して悲願視しているグループに属しますが、アメリカの住宅ローン問題や金融株下落などかなり前から現在の不況は大恐慌に似ていると言い、私も含めて、彼のニュースレターを読んでいる人は多いです。

1. S&Pが1,350そしてGDP成長率4%が2011年の予想・コンセンサスである。ブルームバーグで調査されたストラジストのうち誰一人として株式に対してベアがいなかった。これは2009年3月や2010年7月と全く反対に安心感が広がっている。このため、2011年の前半はポジティブではないと考えている。
また、株はいい決算のニュースと経済成長への期待から、高い側のレンジで値付けられており、バリュエーションでは高くないが、気持ち・期待感は高くなっている。我々は今後良い買い機会がくると考えているが、特別なシチュエーションにある会社を買うべきであると考えている。そのシチュエーションとは配当の成長、割安株、強いバランスシート、北米の成長有無にかかわらず強い企業など。
2. 私は、アメリカのGDP成長率が今年の3%前後から、来年は2%前後もしくはそれ以下に下がると考えている。これは二番底ではなく、成長が遅くなると考えている。カナダ銀行が示したように、来年は世界経済の成長が低調になり、世界の循環に対して注意が必要だと思われる。
3. ヨーロッパの財政や信用格付けの問題は続く。また、アメリカの州や地方政府の財政問題も続くであろう。さらに、中国の引き締め政策も不安材料である。このようなことからボラティリティが高くなると思われる。
4. ドルは強まると思われる、特に対円とユーロに対してである。
5. エマージングマーケッツはインフレ圧力に対して中央銀行が引き締めに走ると思われることから苦しむことになると思われる。中国の株価を見ると、トップが形成されたと思われる。
6. 2011年のアメリカ財政に必要な借り入れは2010年と変わらない。このため、一般的に思われている財政問題が長期国債に与える影響は誤りである。今のイールド・カーブは急すぎるため、債券利回りを筆頭にいずれ平らになると思われる。最近の長期金利の上昇は2009年12月とそっくりであり、それが2010年の債券のポジティブなリターンを生むこととなった。
7. 最近のコモディティの価格高騰にも関わらず、依然デフレがアメリカの中短期の問題となると思われる。また、FRBの努力も虚しく、貨幣流通速度は低調のままである。依然労働市場には余剰能力がある。
8. 社債は以前ほど安くはないが、社債の中では金融とユーティリティ(公益設備)のセクターがいいと思われる。期間で言うとカーブの5〜7年、レーティングで言うとBBB〜BB。
9. マクロで最も問題・リスクになると思われるのがアメリカの住宅価格である。あまり注目はさせていないが、最近その価格が下落し始めている。
10. 我々の買いリストには成長乏しいと思われているセクターの株である、例えば、ユーティリティ、パイプライン、石油収入、製薬、食品、スーパーマーケット。

2010年12月9日木曜日

中国:史上最強の国、それとも史上最強のバブル?

HSBCから200ページ以上の途方もない中国に関するレポートが出されていましたので後ほど簡単に紹介しますが、ページ数もさることながら、これを読むと中国という国が途方もないということを感じがします。その反対に中国の高官さえ国が発表するデータが当てにならないと言っていたことがウィキリークスで明らかになっています。

まず、その高官のお話し。ロイターTelegraph紙に「ウィキリークス:中国高官、中国が発表するGDPを信用していない」と題した記事がありました。その高官とは現在の第一副首相で、時期首相最有力候補と言われている李克強。その李克強がまだ遼寧省の委員会書記だった頃の2007年にアメリカのクラーク・ラント駐中米国大使と会食した際の記録だそうです。

「李氏は遼寧省の経済評価の際、電力消費、鉄道貨物量および銀行融資の3つのデータだけに注目すると発言。公電は、「李氏は、これら3つの数字を見るだけで、経済成長の速さの相対精度を測ることができる、と述べた。他のすべての数字、とくにGDP統計は『参考用にすぎない』と李氏は笑顔で語った」と、ロイターでは伝えています。

これって、なんだか昔から怪しいと言われている会社の次期社長候補の副社長が部長時代に「うちの経理って適当に色づけしながら決算書を作っているんだよね」って言っているような話で、そんな会社に投資をしますか?株を買いますか?ということになりますよね。とは言っても、粉飾しようが脱税をしようが、バレないで成長してROIが高ければ結構という人もいますので、そこはリスクベネフィットを考えながら、賢く行きましょう!

その反対にこのレポートを読むと考えが変わってしまいます。200ページにも及ぶHSBCのレポートですが、市省の経済や実情が詳細に分かります。ここでは31の省の強みと課題が書かれており、今後5年を予想しています。また、この中で面白かったのが、各省の2000年と2009年と2020年のGDPを世界の国に当てはめた場合どこになるかとう言う地図。各省を国に例えてグラフ化しているこのレポート読むと、中国は今後永遠に成長をし、最終的には世界征服するのではないかという風に思ってしまいます。

それによると:
• 中央政府の戦略に乗っ取って経済活動が進んでいると思われているが、実際には地方政府や地方の高官に力が移住していて、彼らに大きな力と権限が与えられている。
• 中国の6つの州それそれのGDPが2020年までに1兆ドルを超えるとし、それはロシアを6倍にした規模となる。
• 中国の人口の47%は都会に住み、8つの都市は1000万人を超え、93都市が500万人を超えている。反対に500万を超える都市はアメリカにはニューヨークしかない。
• ワシントンDCのような北京は、シリコンバレーでもある。北京の中関村では23のハイテク企業が2009年にIPOしたが、シリコンバレーでは1社だけであった。2010年には35社がIPOをしている。
• 崑山市では世界のノートPCの半分にあたる、年間8500万台を生産しているが、IT関連製品は同市の製造品の上位に入っていない。
• 蘇州市の一人当たりのGDPは北京より70%、上海より46%高い。
• 人口1500万人のオルドス市のGDPは3年後には香港を抜くとされている。
• あと5年は現在のような成長が続くと思われる。
• 鉄道やクリーンエネルギーなどの分野の省レベルでの成長が国の目標値を超えている。それは、各省同士が競争をして予算を奪い合っているため。
• ただ、過剰生産能力に陥る危険性がある。崑山市と重慶市を合わせると世界のノートPCの80%を供給できる能力を持つことになる。
• また、過剰生産能力に陥ると不良債権が増える可能性が高まる。
• さらに、不動産価格の高騰のように、中央政府が価格を抑える手を打っても、地方の利権が勝って効果が無くなっている。
• このレポート書いて分かったことは、北京を押さえるだけでビジネスができるようにならない。ビジネスをするためには地方の役人も味方に付けないといけない。
A Guide to China's Regions, Provinces and Cities

2010年12月6日月曜日

成長しきった日本と成長を続けるBRIC

日本が中国に抜かれて世界3位の経済国家になったせいかどうか分かりませんが、日本に対してネガティブな考えを持つ人が増えたと思います。例えば、日本が中国に抜かれて、これからアジアを支配するのは中国であり、日本は植民地化すると言ったような悲願的な意見など。

確かに日本では明るさが消えかけ、ものすごく暗くなっている感じがします。友達と話していても、会社でリストラを進めそうだとか、給料が減りそうだとか、明るい材料が少ないです。

その理由は政治にあると私は思っています。敗戦後間もなくは、日本国民全体が貧しかったので、政治メッセージが作りやすかったのです。政治家はただ「みんなでがんばって働いて裕福になろう」と言えば済み、そのプロセスに多少の歪みがあっても問題にならなかったのです(今の中国も一緒で、成長している間は多めに見てくれる国民も、成長が途絶えてくると国の運営は難しくなってきます、だから今のうちからどうにかしようと中国共産党は躍起になっていると思います)。

しかし、80年代に入り日本も裕福になるにつれて目標が失われ、政治家もメッセージが作れなくなったのだと私は思います。「より裕福になろう」と言っても国民は納得せず、今までがんばった分、その恩恵を受けたいと国民は思うようになった。例えば週6日働いていたのが5日になったり、ドルが高くて海外旅行に行けなかったり、海外ブランドを買えなかったりしたのが変動相場でドルが安くなったことでこれらができるようになりました。

理由はこれだけではないにせよ、政治家は将来的な目標を立てて、それを国民に伝え、コンセンサスを得るというのが大きな仕事であり、責任だと思います。今の政治家は果たしてその責任を果たしているのかどうか、大変疑問です。

いいか悪いか、好きか嫌いかは別にして小泉純一郎は、自己責任、競争力向上、アメリカ中心、郵政民営化など、日本が進むべき道を示していました。それ以降の自民党総裁・総理はそれができなかったから短命政権からついには野党となってしまった。反対に民主党はいろいろなことをマニフェストで掲げて道を示したが、結局道を示しただけで、進むことはいまのところできていないと私は思います。

そういう中でも日本に対してポジティブな記事が(珍しく)フィナンシャルタイムズにありましたのでご紹介したいと思いますが。その前に、ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICについても大変ポイジティブな記事もありましたので、こちらを最初にご紹介します。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネージメントのジム・オニールがBRICについてレポートを出し、フィナンシャルタイムズに記事がありましたがその内容を簡単にご紹介します。

— BRICの消費者の消費規模は2019年までにアメリカと並ぶ。
— アメリカの消費者の代わりとなり、耐久消費財、高級品、観光などの分野で成長する。
— 現在の規模は4.2兆米ドルであり、アメリカの40%に満たない。
— その中で中国が1.8兆米ドルで約半分を占めていて、ブラジル、インド、ロシアと続く。
— 世界2位の経済となった中国だが、国内の消費規模は日本の60%である。
— ただ、重要なのは将来の可能性である。
— 2025年までにBRIC全体で平均毎年1兆米ドル拡大する可能性がある。
— ジム・オニールの予想は楽観的と言えるが、ただBRICの中級層が増えるにつれて、消費材とサービスのセクターは大きく拡大すると思われる。
— 例えば、2020年までに世界の車の販売台数や高級品の半分、飛行機の35%を占めるとされている。
— 投資家はどうすれば良いか、一つは株式市場に参加すること、例えば中国の株式市場の時価総額はあと20年内にアメリカを抜くとされている。
— もう一つは債券市場である。
— ジム・オニールのように新興国に対してブルな考えをもつグループがいる反面、ベアなグループは、経済の不透明感がより深刻になればBRICなどの新興国もそのショックを間逃れないとしている。
— また、ジム・オニールのアドバイスを受け入れる投資家が増えれば新興国にお金が流入しインフレへのプレッシャーが高まる、としている。

対して日本に関する記事もフィナンシャルタイムズにありましたので、続いてこちらもご紹介致します。記事のタイトルは、「安く見えてきた日本株」

— 20年前までは、機関投資家にとって日本株を保有していないということはキャリアを危険にさらしていたが、いまでは、日本株を保有していることがキャリアを危険にしている。
— メリルリンチの調査で、29%のファンドマーネージャは日本株を保有していないと答えている。
— その理由として;日本企業のマネージメントは株主を軽視する、簡単に株を希薄化する。また、ROE(株主資本に対する収益率)はアメリカの1/3という低さ。
— ピークから75%低くなっている日経平均は評価方法によっては安くはない。
— さらに、人口の減少や中国の台頭を考慮すると希望が無くなる。
— しかし、少し希望を持つと、日本の太陽は永遠に沈んだのではなく、雲に隠れているだけと考えられないか?
— ROEが低い理由について、モルガン・スタンレーのアレックス・キンモットはデフレによるものだとしている。
— 循環的変動調整を行うとアメリカと同じぐらい株式は高いため、悲願的な投資家はもっと安くなってから入っても遅くはないとしている。
— しかし、ここ十数年銀行が土地や株の持ち合いで計上した損失を省くと、日本株は安くなるとキンモット氏は言う。
— では、過剰投資や株の希薄化などの企業体質はどうなのか?金融引き締め以降、日本企業の投資は減少しており、減価償却されるにつれて利益マージンが高まると思われる。
— また、企業の持つ負債額も削減し、利子を支払われる側となっている。
— さらに、日本の株はブックバリュー以下で値付けられており、多くのキャッシュを保有し、レバレッジも低い。
— ベン・グレアムの投資基準に合う株は日本にたくさんある、アメリカ株ではそうは言えない。
— 最近、雑誌のエコノミストに日本の人口低下に関する記事があったが、日本の労働人口低下は問題ではない。というのも低い労働力参加率を高めれば問題が無くなる。
— また、日本の人口が減少していることに対して悲願視する人たちが見落しがちなのが、経済成長と投資収益は比例しないということ、すなわち、GDPの成長が直接株式市場の上昇に比例しないというリサーチ結果がある。
— 日本にはチャレンジがたくさんあるのは確かであるが、日本がおしまいとする解説は大げさである。
— そこに投資チャンスが眠っている。

2010年12月1日水曜日

アイルランド、そして続きまして〜

「アメリカ外交公電流出事件」ですが、ウィキリークスすごい話題になっていますね。ウィキリークス創設者の一人、ジュリアン・アサンジがフォーブスのインタビューで外交文書の次はアメリカの銀行の内部資料を公にするそうです。まだ銀行名ははっきりしていませんが、バンク・オブ・アメリカだと言われています。今更に銀行が秘密を持って悪いことをしていたことが分かったからと言って、何にビックリするのか分かりませんが、まぁ、そういうことなので、そういうことで。ちなみにジュリアン・アサンジは強姦罪で当局が捜査しているそうですが、これもまた陰謀でしょうか?(陰謀ものの映画とか大好きです)。

尖閣諸島のビデオ流出もそうなのですが、技術の発達やインターネットの普及等によって「秘密」を秘密にしておくのが難しくなってきました。夫婦生活と一緒ですね。結婚生活が長くなればなるほど見通されてしまいます。私も見習って、そして反省をしつつ、これを機に妻に「秘密」を作るのをやめることにしました。はい。

さて、アイルランドの今の状況を作り上げた大きな要因がドイツだということで、ドイツに対する風当たりが強くなっています。というのも、国有化されたドイツ版ファニー・メイ/フレディ・マックのHypo Real Estateやドイツの銀行は1390億米ドルにも及ぶ未払金がアイルランドにあり、The Peterson Institute for International EconomicsのJacob Funk KirkegaardによるとこれはドイツのGDPの4.2%になるそうです。

ドイツを含むヨーロッパの余ったお金がアイルランドに流れてバブルを作り上げたということになります。このため今回の問題はお金を使ったアイルランドだけの責任ではなく、与えたドイツにも責任があるのだから、ガタガタ言うな、となっているわけですね。

その、アイルランドが9000億ユーロで売りに出されていました。

フィナンシャルタイムズのマーティン・ウルフが「アイルランド問題がユーロ国にとって試練となるか」と題した記事の中で、なぜこのような危機になり、今後について書かれた記事がありましたので、内容を簡単に。

– そもそも、共通通貨を作ったのは通貨危機を回避するためであったが、通貨危機の代わりに、よりひどい金融危機を招くこととなった。
– その理由が、競争力が弱い国の経済が最大になるにつれて対外赤字が拡大し、雇用を維持するためには政府や民間は収入以上の支出が必要となった。
– 支出をファイナンスするためには外から借り入れる必要となるが、それはいつまでも続かない。
– その資金の貸し出しが銀行経由で行われるとアイルランドやスペインのように金融機関の問題となり、公的機関経由で貸し出されるとギリシャのように国費の問題となる。
– また、ヨーロッパの低い金利が国によってはそれ以上に低く感じられ、さらに世界の消費が低迷している中で金利も低かったため、よりその影響が大きかった。
– これが金融危機につながった。
– 今後大きな問題が、果たして共通通貨が生き延びられるかということである。
– しかし、European Council on Foreign RelationsのJose Ignacio Torreblancaの記事を読む限りは、その答えは、ノーである。
– ユーロを維持するかどうかは経済の問題ではなく政治的な問題である。
– 国がデフォルトすることは問題ではなく、問題はメンバー国にとってユーロを維持することによるベネフィットがあるかどうかである。

いずれにしましても、今後ヨーロッパがどのようになるか目が離せません。

そこでここ最近のPIIGSと呼ばれるポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャとスペインの国債の調子を見てみたいと思います。

ポルトガル


















アイルランド


















イタリア


















ギリシャ


















スペイン



















ご覧になって分かりますようにどこもかしこも叩かれています。特にキテるのがイタリアです。

イタリアはここ3年内に債券の償還で8000億ユーロが必要としているので、マーケットが示しているようにポルトガル、スペインとイタリアも危ないとすると、欧州中央銀行による国債買いだけが残された救済方法とする意見もあります。

2010年11月29日月曜日

アイルランド支援とアメリカの量的緩和に対抗する中国の量的規制

風邪を引いてしまったせいで、ここしばらく更新を怠って申し訳ありませんでした。「いつ布団を厚くし、電気毛布をつけるか」という難しい課題・タイミングを間違えてしまい、先週のある寒い夜に風邪を引いてしまいました。

本題の前に、最近日本では市川海老蔵の話がいまだに話題になっていますが(個人的には暴走族が西麻布でのんきにモーニングしているお金があるとは思えないので、そうなりますとその上組織となり、まぁ「覚えていない」と言いたくなる気持ちもunderstandします…)、今日はレスリー・ニールセンが亡くなったという個人的に悲しいニュースがありました。「裸の銃を持つ男」で有名になりましたが、あのおバカ加減が大好きでした。週末に彼の映画を再度観ようと思います。

さて、久しぶりのブログ更新ですが、最近気になる経済ニュースはアイルランドが援助を受け入れたという話、それから先日アメリカが行った量的緩和に対する中国の対策の「量的規制」の話でしょうか。

まず、ヨーロッパですが、アイルランドが日本時間の11月28日深夜にIMF/EUの支援を受け入れると発表しました。額としては850億ユーロ(約9.5兆円)規模となり、そのうち350億ユーロが銀行に使われ、500億ユーロが国の生活費に使われるそうです。金利は「結構高いなぁ」と思う、5.8%になります。受け入れに対してアイルランドが最も抵抗していた法人税増税は見送られました(インテルとグーグル株をショートした人はカバーしないといけません)。融資の条件として今年32%だった赤字を、来年は10.3%、再来年には9.1%にしないといけないそうです。また、社会保障の削減や増税、公務員10%の削減などが条件に含まれています。収入が6.7万米ドル(約600万円)の平均的な家族の場合5,800米ドル(約50万円)の増税になるそうです。お金がないのだから借りるしかなく、条件についてとやかく言える立場にないとはいえ、当然のようにアイルランド国民は反発しており、政権交代になりそうです

そして、アイルランドの次に叩かれると言われているポルトガルの国債が7%と、今月初めにつけた高値に戻り、そのポルトガルに対してドイツが支援受け入れを迫ったとドイツ紙が報道したため、その火消しに追われています。

ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニもポルトガルも支援が必要になるとインタビューで答えています。また、シティグループチーフエコノミストのウィリアム・ブイターは先週、ポルトガルは年内に救済が必要になり、そのあとすぐにスペインも必要になると言っていました。ポルトガルはともかく、救済しないといけないけど救済するには大きすぎるスペインをどうするか、ドイツにとって大きな問題になりそうです。

ちなみにIMFへの出資で日本はアメリカに次ぐ第2位ですが、日本は今回IMFに新たに約1000億米ドル出資するとしています、ヨーロッパ救出に我々日本人の税金が活用されることとなります。

さて、続きまして中国ですが、アメリカが量的緩和を行ってから中国を含む途上国にドルが流入し、株や土地等にお金が流れ込んで、資産の価格が高騰し、バブっています。日本でも日経平均が高くなっていますが、それ以上に途上国は上昇していました。

量的緩和によるお金の流入に対して中国はカウンターとして量的規制を行うと言われています。なぜ金利を上げるなど一般的な方法でお金の流通を押さえることをしないかと言いますと、ドルとのペッグ、国内の需要と雇用の安定を保たせるためには急激な金利の上昇はリスキーであると考えているからのようです

量的緩和は中央銀行がお金を発行したり、資産を買い取ったりすることで、金利を下げずにお金の流通量を多くし、それによって経済活動を高めることを言います。量的規制はその反対にお金の発行を減らしたりすることで金利を上げずにお金の流通量を減らし、それにより、経済活動を冷やすことになります。

ドイツ連邦銀行総裁のアクセル・ヴェーバーは中国とアメリカの関係について次のようなことを言っています。ここ10年の問題は赤字の国と黒字の国の双方の問題よるものである。アメリカの赤字は国民全体の低預金によって引き起こされているのに対して、中国等の途上国は輸出に有利な為替政策をとったことで黒字になった。特に中国はこの黒字を中国国内で使うより、米ドルを中心に外貨準備で保有し続けており、黒字国からすると何ら問題ないこととは言え、ショックを受けた場合の世界経済を脆弱にしている。このアンバランスが世界経済へのリスクであり、均等にすることが赤字国と黒字国の今後の課題である、としています。


このように、アメリカの量的緩和は中国の為替政策に対するアメリカの施策であり、これによって中国のドルペッグを外し、世界貿易を均等にする目的があると思われます。

要するに、アメリカの量的緩和と中国の量的規制の「いたちごっこ」ということになります。地球が文明化される前なら戦争になっていてもおかしくないこの状況で、どちらが先に音を上げるか…